JRAコントレイル「天下取り」に追い風!? アリストテレスすでにグランプリホース以上か…… AJCC(G2)ワンツーフィニッシュで低レベル説に反発
24日に中山競馬場で開催されたAJCC(G2)は、C.ルメール騎手のアリストテレス(牡4、栗東・音無秀孝厩舎)が1番人気に応えて快勝。春の天皇賞制覇に向けて快調な滑り出しを見せた。
昨年の菊花賞(G1)では最強馬コントレイルをあわやのところまで追い詰めた牡馬NO.2はここでも健在だった。歴戦の古豪相手に菊花賞2着馬の力を見せつけた。
19年20年の天皇賞・春(G1)を連覇したフィエールマンを失ったルメール騎手にとっても、今年G1獲りを目論むパートナーの快勝はまたとない朗報となった。
レース後のコメントでルメール騎手が「馬場コンディションは難しく、重い馬場の血統が大事でした」と振り返ったようにこの日の中山は適性を問われる不良馬場。力のいる馬場に苦戦を強いられる馬もいた中で、父がエピファネイア産駒のアリストテレスに一日の長があったことは否定できない。
しかし、「今日はトップコンディションでなくてもG2を勝てました。良くなればG1を勝てるチャンスはあると思います」と続けたように、余裕残しの状態でアリストテレスが勝ち切ったことには評価が必要だ。
その一方で明け4歳馬が年長馬相手の重賞で分が悪かったことも事実である。クラシックで上位を賑わした馬が凡走することも珍しくなかった。ジャパンC(G1)ではアーモンドアイにコントレイルが完敗し、無敗の三冠を制しながら年度代表馬の栄誉を奪われる屈辱もあった。
それだけに優勝したアリストテレス以外にもヴェルトライゼンデとのワンツーフィニッシュを決めたことには大きな価値がある。AJCCで3着のラストドラフト、4着のステイフーリッシュは昨年の同レースで2着と3着だった馬でもあった。
稍重開催だった昨年も好走した2頭は、今年の馬場でも苦にしなかったと考えることも可能だ。4歳馬がこれらを上回ったことを考慮すると、アリストテレスは昨年の勝ち馬ブラストワンピースと同等かそれ以上の力があるのかもしれない。
「コントレイルにとってアリストテレスの勝利は追い風になりそうですね。三冠馬が誕生するような年は、他馬のレベルがそれほど高くないことも関係しているといわれていますから……。
こうして目に見える形で同世代のライバルが結果を出したことは、今年のコントレイルにも期待したくなります」(競馬記者)
勿論、今年は中距離路線も視野に入れてくるグランアレグリア、昨年の有馬記念を制したクロノジェネシス、牝馬三冠デアリングタクトなど強敵が待ち受けている。
決して楽な相手ではないが、アリストテレスが先に結果を出したことはコントレイル陣営にとっても勇気づけられる朗報だったに違いない。