JRAまるでハンデキャッパーの嫌がらせ!? 誤算続き「幻のG1馬」にのしかかる過酷な現実…… シルクロードS(G3)除外対象で踏んだり蹴ったり
31日に中京競馬場で行われるシルクロードS(G3)のハンデが発表された。
トップハンデが設定されたのは、牡馬に換算すると58.5キロに相当するモズスーパーフレアの56.5キロ。同じく牝馬のプリモシーンが58.0キロに相当の56.0キロ。明け4歳ラウダシオンは57.0キロ、セイウンコウセイとクリノガウディーは58.0キロとなった。
どうしても違和感を覚えるのは、クリノガウディー(牡5、栗東・藤沢則雄厩舎)に課された58.0キロというハンデだ。前述した他の馬はすでにG1や重賞勝ちの実績があるのに対し、クリノガウディーは新馬勝ちの1勝のみである。
新馬戦しか勝っていない馬にこのハンデは、嫌がらせにも映りかねない過酷な斤量といえなくはないだろうか。
JRAのホームページに記載されているハンデ戦の定義内容としては「出走予定馬の実績や最近の状態などを考慮し、各出走馬に勝つチャンスを与えるよう決められた重量を負担させるレースです。JRAのハンデキャップ作成委員が、各々の負担重量を決定します」と明記されているものの、クリノガウディー陣営には気の毒なハンデといえる。
このハンデの背景にあるのは間違いなく昨年の高松宮記念(G1)の”勝利”と推測される。
同レースで和田竜二騎手とコンビを組んだクリノガウディーはモズスーパーフレア、グランアレグリアに先着して1位入線。しかし、最後の直線で内側に斜行し、ダイアトニックとモズスーパーフレアの走行を妨害。妨害がなければ、被害馬2頭が先に入線したと裁決委員が認めたため、4着に降着となった。
これにより、クリノガウディーは待望の2勝目となるはずだったG1優勝が露と消え、”幻のG1馬”という有り難くない称号が残されただけでなく、実際には勝っていないにもかかわらず”実質G1勝ち”の扱いをされるという不運にも見舞われた。
陣営にとっての誤算はさらに続いた。次走のハンデ重賞CBC賞(G3)で早速58.0キロを課された上に、例年なら高松宮記念と同じ中京で行われるレースも京都競馬場改修の関係で昨年は阪神競馬場の開催。出脚もつかず12着に大敗してしまった。
続いて新潟の関屋記念(G3)で18着と最下位に終わった際には、結果的に異状なしの診断が下されたとはいえ、喉鳴り疑惑までついて回った。そして、ようやく待ちに待った中京のセントウルS(G2)を迎えたものの、秋の中京は軽くて時計の出やすい馬場状態。重馬場で好走した高松宮記念とは異なる良馬場で7着と精彩を欠いた。