武豊騎手「JRA全G1制覇」か「フランケル旋風」が続くのか……今年の朝日杯フューチュリティS(G1)は例年以上の激熱だ!
来春には大阪杯がG1として新設されることが決定しており、そういった意味では”暫定”とはいえ、今年がラストチャンスとなる。そんな競馬界のカリスマが今年パートナーを組むのがタガノアシュラ(牡2歳、栗東・五十嵐忠男厩舎)だ。
単勝1.5倍に推された昨年のエアスピネルほどの抜けた存在ではないが、このタガノアシュラは日本で大きな成功を収めているゴールデンサッシュの一族。デビュー戦で後続を4馬身突き放し、出遅れて敗れはしたものの札幌2歳S(G3)では1番人気に支持された素質馬だ。
前走の黄菊賞(500万下)は2000mながら本来の逃げに戻って強い内容。5頭立てと小頭数ながらも、素質馬揃いの一戦で改めて高い能力を示した。今年の武豊騎手はとにかく逃げで好結果を残しているだけに「武豊が逃げる」というだけで要注意の存在になりそうだ。
京王杯2歳S(G2)を制したモンドキャンノ(牡2歳、栗東・安田隆行厩舎)も当然ながら優勝候補の一頭だ。
単勝1.8倍に支持された函館2歳S(G3)こそ2着に敗れたものの、前走の京王杯2歳Sでは、小倉2歳S(G3)の覇者レーヌミノルを抑えて重賞初制覇。着差こそ半馬身だったが、3着以下には3馬身以上の差をつけており、抜けた能力馬同士の一騎打ちを制した格好だ。
ここまで圧倒的なスピードが持ち味だが、キンシャサノキセキ×サクラバクシンオーなだけに課題となってくるのはマイル戦への対応だろう。フランスの名手M.バルザローナ騎手の腕の見せ所だ。
ただ、そのモンドキャンノを重賞初制覇に導いたC.ルメール騎手が1勝馬のダンビュライト(牡2歳、栗東・音無秀孝厩舎)に騎乗しているのが、なんとも不気味だ。
1勝馬とはいえ、前走のサウジアラビアロイヤルC(G3)では中団からしっかりと脚を使って2着を確保。敗れたブレスジャーニーは後に東京スポーツ杯2歳S(G3)も連勝しており、現時点で2歳トップクラスに君臨している存在。そんな強豪と0.2秒差の競馬ならば、ここでは胸を張れる実績だ。
先述したようにルメール騎手を確保できたことも大きい。新種牡馬ルーラーシップに初G1を届けられるだろうか。