JRA武豊から勝ち取った「主戦の座」!? 川田将雅ポタジェ勝利で分かれた「明暗」リーディング奪取へ「反撃の狼煙」か
30日、東京競馬場で行われた白富士S(L)は、川田将雅騎手の騎乗したポタジェ(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)が優勝。1.9倍の圧倒的1番人気に応え、1勝クラスから4連勝を飾った。
レースは13頭立ての芝1800m戦。ポタジェは好スタートから内に潜り込み、好位5番手を追走する。
しかし、向正面でC.ルメール騎手が騎乗するブレステイキングが捲り上げ、これを見るように各馬が前へ進出。絶好位をキープしたかに思われたポタジェは、中団まで位置取りを下げるよりなかった。
直線では前が壁になりかけたポタジェだったが、1頭分のスペースをこじ開けると残り100m辺りでは先頭に躍り出る。最後はサンレイポケットが外から猛然と追い込んだが、クビ差これを凌いで勝利をもぎ取った。
川田騎手はレース後「前半途中から流れが悪くなって位置取りも苦しくなりましたが、直線はしっかりと動き出してくれました。一生懸命に走り勝ち切ってくれるので、とても偉いなと思います」とコメント。着差は僅かながら、連勝を続けるポタジェを労った。
そんな川田騎手だが、今年に入ってからは先週まで2勝と絶不調。全く波に乗れない状況が続いていた。
2週前に行われた日経新春杯(G2)でもポタジェと同じ金子真人オーナーの期待馬である2番人気のヴェロックスに騎乗するも9着と惨敗を喫していた。その日経新春杯で1番人気に推されていたのがアドマイヤビルゴで、それまで武豊騎手で4戦4勝と大きな話題を集めていた同馬も、ヴェロックスとともに人気を裏切る敗戦を味わっている。
しかし、今回のポタジェ勝利が川田騎手と武豊騎手、2人明暗を大きく分けたといえそうだ。
ポタジェは友道厩舎の管理馬で、アドマイヤビルゴと同世代のディープインパクト産駒。武豊騎手が騎乗しての連勝が止まったアドマイヤビルゴに対して、ポタジェは川田騎手で5戦5勝と勢いが止まらない。過去にはポタジェにも騎乗していた武豊騎手だが、プリンシパルS(L)、その後の1勝クラスをともに2着惜敗。ポタジェに関しては、完全に川田騎手が主戦の座を勝ち取ったといえるだろう。
この日、武豊騎手は5鞍に騎乗したが馬券圏内に入ることもできず、全てのレースで4着以下。一方、川田騎手は5Rのボーデンで6馬身差の圧勝劇を飾ると、ポタジェでメインレースも制している。先週、東海S(G2)で今年初の重賞勝ちとともに2勝目を挙げた川田騎手は、ボーデン、ポタジェで、この日2勝を上乗せ。武豊騎手とは対照的に、ようやくエンジンがかかってきたようだ。
昨年は167勝を挙げリーディング2位に輝いた川田騎手。今年は30日の開催を終えて未だ4勝と、宿敵ルメール騎手の17勝には遠く及ばないが、これからの巻き返しが期待できそうだ。