JRA武豊「魔の中京」連敗劇は絶望の春への序曲!? 「脚を使えなかった」エルフィンS(L)1番人気エリザベスタワー9着惨敗で繰り返された悪夢
「今週はこの2頭で春が楽しみになる競馬ができれば。ここで結果を出さないと――」
先日『スポーツ報知』の取材に決意を語った武豊騎手だったが、待っていたのはまたも悪夢のような敗戦だった。
6日、中京競馬場で行われたエルフィンS(L)は昨年、無敗で牝馬三冠を成し遂げたデアリングタクトが全国へその名を轟かせた出世レースだ。今年は偉大な女王の背を追いかける「第2のデアリングタクト」の座を巡る争いとなったが、そこで1番人気に推されたのが武豊騎手のエリザベスタワーだった。
母に独オークス馬を持つ血統馬であり、デビュー戦を武豊騎手と共にノーステッキで快勝していたエリザベスタワー。格上挑戦ながら単勝2.1倍の1番人気に推されて然るだけの大器だったが、後方から進めたレースでは末脚不発のまま9着に惨敗……。
レース後には武豊騎手が「少しイレ込んでいた。道中の口向きも難しかった」と課題を口にしたが、いずれも「許容範囲ではあった」ようだ。それだけに「新馬戦の脚を使えなかった」と首を傾げざるを得ない不本意な敗戦となった。
百戦錬磨のレジェンドが「魔の中京」で苦しんでいる。
年明けの京都金杯(G3)をシュリで敗れてから、日経新春杯(G2)のアドマイヤビルゴ、東海S(G2)のインティと、いずれも重賞1番人気で馬券にさえ絡めずに3連敗……。
そして、この日のエルフィンSはリステッド競走ながら、またも1番人気を裏切ってしまった。
「武豊騎手がここまで6勝と出遅れています。それも6勝中5勝が1番人気と、力が抜けた馬でないとほぼ勝てないような状況。1番人気で15回騎乗して5勝はそこまで悪くないですが、2着と3着が1度ずつしかないなど惨敗が目立ちます。腰痛で1週間休んだこともあって、明らかに調子を落としている印象です」(競馬記者)
昨秋から始まった京都競馬場の長期改修工事のため、年明けから関西は中京競馬場がメインとなったが、昨年12月からのロングランに加えて、芝の育成が乏しい厳寒期……今の中京は、昨秋に結果残した軽い馬場を得意とする馬たちがことごとく苦戦し、レースが大荒れになることも珍しくない。
有力馬に騎乗する機会が多い武豊騎手は、そんな「魔の中京」の渦中の中心にいると述べても過言ではなさそうだ。
「今週はこの2頭で春が楽しみになる競馬ができれば――」
冒頭で武豊騎手が語った2頭とは9着に敗れたエルフィンSのエリザベスタワー、そして明日のきさらぎ賞(G3)で上位人気が予想されるヨーホーレイクだ。舞台はやはり中京競馬場である。
今週で最終週開催を迎えている「魔の中京」だが、京都競馬場が開催しない今年は中京競馬場で開催される大レースも多い。百戦錬磨のレジェンドとして最後にきっちり攻略し、いいイメージを残しておいきたいところだ。