JRA藤田菜七子「うまく乗れなかった」素質馬で芝重賞制覇の大チャンス!? コパノキッキング「降板」の憂さ晴らしは“壁”の突破次第か
10日、サウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われるリヤドダートスプリントに出走するコパノキッキングの鞍上がW.ビュイック騎手に決まったことが明らかになった。管理する村山明調教師が明かしている。
重賞4勝を挙げるコパノキッキングは、日本を代表するダートの短距離馬。2月のサウジアラビアを使った後は、3月にドバイで行われるゴールデンシャヒーン(G1)へ転戦することが予定されている。
今回のサウジアラビア遠征にあたって、無念の降板となったのが藤田菜七子騎手だ。
これまでコパノキッキングで19年の東京盃(G2)、カペラS(G3)を制している藤田騎手。リヤドダートスプリントの前日に行われる騎手招待競走「インターナショナル・ジョッキーズ・チャレンジ」の招待を受けており、コパノキッキング同様にサウジアラビアへ渡航することが決定している。
しかし、陣営はドバイでも継続騎乗できるジョッキーを探しているため、ドバイ遠征が不透明な藤田騎手ではなく、ビュイック騎手に白羽の矢が立ったようだ。
「コパノキッキングに海外で騎乗する機会は滅多にないだけに残念ですね。ただ、ジャスティンと一緒に現地滞在する坂井瑠星騎手と同じようにはいかないだけに、やむを得ないですね。
それでも13日に行われるクイーンC(G3)で藤田騎手は重賞制覇のチャンスがありそうですよ」(競馬記者)
クイーンCで藤田騎手はレッジャードロ(牝3歳、美浦・戸田博文厩舎)の騎乗を予定している。
1月の中山芝1600mでデビューしたレッジャードロ。スタートで出遅れ、最後方からレースを進めた。4コーナーで大外を回した際に外へ膨れる幼さを見せたが、圧巻の末脚を披露して勝利を掴み取った。上がり3ハロンは33秒9をマーク。他の全馬が35秒3より遅かったことを考えれば、1頭飛びぬけた脚を使っていることが分かるだろう。
レース後、藤田騎手は「抜けて物見をしていたくらいで、まだ余裕がありました」とコメント。さらに「うまく乗れませんでしたが、今日は能力の高さで勝たせてもらいました」と話しており、相当なポテンシャルを秘めているはずだ。
コンビ2戦目となれば、馬の癖も理解しているだろう。また、最終追い切りでも藤田騎手が跨り感触を確かめている。デビュー戦でうまく乗れなかったという点は改善されるはずだ。
ただ、レッジャードロに立ちはだかるのが抽選の壁である。
クイーンCはフルゲート16頭に対して23頭が登録しており、回避がなければ収得賞金400万円の馬による8/15の抽選となる。新馬勝ちのレッジャードロはこれに該当するため、まずここを突破しなければならない。
コパノキッキングとのコンビが叶わなかった藤田騎手が、クイーンCで鬱憤を晴らせるかはレッジャードロの抽選次第となりそうだ。