JRA福永祐一「誤算続き」の重賞連敗! シャフリヤール皐月賞(G1)に黄色信号…… まるで別人の「内弁慶」ぶりが浮き彫りに
今年の福永祐一騎手は例年以上に好調だ。
先週の開催を終えて、騎手リーディングは29勝を挙げて1位のC.ルメール騎手、22勝の松山弘平騎手に次ぐ20勝で3位。春のG1戦線には三冠馬コントレイルも控えており、昨年以上の活躍を期待されている。
福永騎手の好調を後押ししていたのが、中京競馬場での騎乗だった。今年は京都競馬場の改修工事により、年始の京都開催が中京開催に変更。最も得意な競馬場といっても過言ではないコースを味方に快進撃が続いた。
重賞ではシンザン記念(G3)を4番人気のピクシーナイト、シルクロードS(G3)も同じく4番人気のシヴァージで制して早くも2勝。いずれも中京コースを手の内に入れていた福永騎手の好判断が光る内容だった。
福永騎手は中京で重賞6鞍に騎乗して【2-2-1-1/6】という神懸かり的な好成績。馬券圏外に敗れたのも5番人気で5着だった東海S(G2)のグレートタイムのみ。これも人気通りの着順だったことを考えればほぼ完璧といえるものである。
その一方で、中京以外の競馬場での成績はもうひとつという印象も拭えない。
中山のフェアリーS(G3)を1番人気テンハッピーローズで4着。2月の東京開催では東京新聞杯(G3)を1番人気ヴァンドギャルドで4着、先週のクイーンC(G3)を4番人気ステラリアで6着、共同通信杯(G3)を2番人気シャフリヤールで3着と連敗が続いている。
共同通信杯のレース後に残した「前に馬を置いて壁を作る形になりましたが、途中から前の馬が動いて壁がなくなり、脚を溜めづらい部分がありました」というシャフリヤールのコメントでも弁明に近いニュアンス。
2着に入れず、賞金の加算に失敗したことで、皐月賞(G1)出走も怪しくなって来た。中京開催で自信に満ち溢れていた騎手とはまるで別人のような歯切れの悪さだった。
「今年の中京開催が多いのは福永騎手にとって好材料ですが、だからといってずっと中京開催という訳ではないですからね。中京以外でいかに成績を落とさずに結果を残せるかどうかがリーディング争いで重要でしょう。
中京の成績が良過ぎただけに他の競馬場で物足りなく映るかもしれませんが、どちらかというと元に戻ったというか……。良くも悪くもいつもの福永騎手のような気もします」(競馬記者)
リーディングで上位を争うにも中京以外での成績が大きく影響することは間違いない。
これまでは徹底的な中京引きこもり戦略が功を奏していた福永騎手だが、次回の中京開催は3月13日とまだ先。それまでには中京以外で重賞を勝てないという内弁慶状態から脱出しておきたいところだ。