JRA福永祐一インディチャンプ「凡走」危機再び!? 阪急杯(G3)「不安材料」てんこ盛り…… 春秋マイル王が迷走することになった理由とは
2年前の春秋マイル王にとってはもどかしい現状だ。
3着に敗れた昨年12月の阪神C(G2)からの巻き返しを期すインディチャンプ(牡6、栗東・音無秀孝厩舎)だが、阪急杯(G3)でも危険な人気馬となる可能性がありそうだ。
24日に行われた栗東・坂路の最終追い切りでファンタジステラと併せたが、1馬身の遅れ。全体時計としては4F50秒8と数字こそ見栄えは悪くないが、ラスト1Fで13秒0を要したようにしまいはバテ気味。陣営も危惧しているように寒い時期とあってまだ絞り切れていない雰囲気である。
本番の高松宮記念(G1)が1カ月先とはいえ、阪急杯は短距離戦だけに動ける状態にあることが望ましい。目標としているのは中京・芝1200舞台。やはり、懸念されるのは電撃の6ハロンといわれるスピード決着への適性だろう。
前走の阪神Cは17年の12月にデビュー勝ちして以来、3年ぶりとなった芝1400m。16頭立てのフルゲートで行われたレース。ハナを主張したイベリスが軽快に飛ばす流れは前半34秒0の平均やや速め。スタートを決めたインディチャンプは11番手の後方から追走した。
主戦の福永祐一騎手は最後の直線でようやくパートナーを外に持ち出したが、時すでに遅し。大外から上がり最速の末脚を繰り出したものの、先に抜け出していたダノンファンタジーの陰さえ踏むことも出来ずに0秒4差の後れを取った。勝ち馬とほぼ同じ位置から競馬をした2着マルターズディオサにも先着を許す完敗といっていい内容である。
福永騎手はレース後「1400mの分、あの位置になりましたが、良い形で脚は溜まっていましたし、いつも以上の切れ味を見せてくれるのではないかと期待をしていました」と、敗戦を振り返った。
気になるのは「距離短縮で増す」と期待していた切れ味が存外だったと受け取れるニュアンスだろう。マイルを中心に使われていたインディチャンプが、久々の1400mで位置取りが後ろになるのは理解ができる。普段より後方からの競馬となるのならば、いつも以上の切れがなければ前の馬を捉えられないのは自明の理である。
結果的に前残りの決着だったため、「もう少しポジションを取りにいった方が良かったのかなとも、今日のレースで思いました」と、福永騎手は反省の弁を残したが、前につければ、それだけ脚を使うこととなるため、後方にいたときと同じ末脚を引き出せるかどうかは疑問が残る。
「脚部不安のため、直前で回避しましたが昨年のスプリンターズを予定していたように、マイルのみではなく短距離路線への転戦は想定されていました。春秋マイル王に輝いた馬だけに本来ならマイルで問題ないはずですが、昨年の安田記念(G1)が方針変更の契機となった可能性が高そうです。
このレースでインディチャンプはグランアレグリアの前に3馬身差の完敗。完全に勝ちパターンだった秋のマイルCS(G1)でも歯が立たなかったことで、対グランアレグリアの分が悪いことを痛感したのでしょう」(競馬記者)