JRA武豊ディープモンスター「負けられない戦い」も前途多難な未来を示唆!? 無事に勝利を収めてもクラシックで待ち受ける厳しい現実
DMMドリームクラブ期待の星・ディープモンスター(牡3、栗東・池江泰寿厩舎)が、28日に阪神競馬場で行われるすみれS(L)に必勝態勢で挑む。
デビュー前から大物候補の呼び声のあったディープモンスター。ここまで4戦すべてで武豊騎手がコンビを組んでいるように、管理する池江泰寿調教師も大きな期待をかけている。
昨年8月に小倉でビューしたものの、放馬というまさかの結果。仕切り直しとなった10月の再デビューを見事に勝利したが、連勝を狙ったエリカ賞(1勝クラス)で早くも2着と躓いてしまった。8頭の少頭数ながら、後方3番手からの競馬を強いられたこともあって、ディープモンスターは進路の確保に手間取った。
1000m通過が64秒0という遅い展開も後方の馬に味方せず、メンバー最速の上がりを繰り出しながらも2着。2番手から先に抜け出したアドマイヤハダルを半馬身差まで追い上げるのが精一杯だった。
その一方で、武豊騎手がレース後に「道中は行きっぷりが良くなかったです」と振り返ったように、追走が楽なはずの超スローペースで好位につけられなかったのは、今後を考えると気になる材料だ。
前走の梅花賞(1勝)こそ、同じような展開から差し切り勝ちを決め、ポテンシャルの高さを見せたが、真価が問われるのが今回のすみれSだろう。リステッドレースのここを勝つことができれば、賞金面で日本ダービー(G1)まで安泰となる。ディープモンスター陣営に力が入るのも当然だろう。
そんな陣営の思惑を察するように『netkeiba.com』の想定オッズでディープモンスターは単勝1.3倍。2番人気のグロリアムンディが3.1倍ということを考えると断然人気となることが予想されている。
しかし、はたしてそこまでの信頼を置けるのかとなると一抹の不安がある。当面のライバルと目されるグロリアムンディは、1番人気に支持された前走の若駒S(L)を3着に敗れはしたが、福永祐一騎手がデビューから手綱を取り続けているように、こちらも期待馬だ。
想定14.8倍のスパイラルノヴァは、2頭から大きく離された4番人気だが、ディープモンスターが敗れたエリカ賞ではタイム差なしのクビ差でしかない。昨年10月のアイビーS(L)ではオーソクレースの3着に好走。4着だったアドマイヤハダルにエリカ賞で逆転を許したとはいえ、2頭の力差はそれほど大きくないと考えられる。
となれば、アドマイヤハダルに敗れたディープモンスターも、オッズほど抜けた存在なのかとなると疑わしい。
13日から始まった阪神開催で武豊騎手は【2.6.4.16/28】と、決して好調といえない成績。2勝を挙げたのもダートのレースで、芝に限定すると【0.2.3.8/13】で現在13連敗中では強気になれない。
また、仮にすみれSで勝利を挙げることができたとしても、過去10年の勝ち馬からクラシックで好走したのは2017年のクリンチャー、19年のサトノルークスが人気薄の菊花賞(G1)で2着に入った程度で春のクラシックでの好走例はない。
いずれにしてもディープモンスターには、前途多難な未来が待っているのかもしれない。