JRA武豊メイケイエール「実績断然」も課題あり!? エリザベスタワーは新コンビ・川田将雅と巻き返しへ【チューリップ賞(G2)展望】

 3月6日、阪神競馬場ではチューリップ賞(G2)が開催される。桜花賞(G1)と同じ阪神1600mで行われ、3着馬までに優先出走権が付与される。

 過去10年で、このレースをステップに5頭が桜花賞を制覇。G2に格上げされた18年以降は勝ち馬こそいないが、3年連続で桜花賞2着馬を出すなど、本番に直結するレースであることに変わりはない。

 例年なら前年の阪神JF(G1)上位組が大挙出走してくるが、今年は1~2着馬は桜花賞に直行。3着馬もフラワーC(G3)で始動予定だ。阪神JF組で唯一出走を予定しているのが4着馬のメイケイエール(牝3歳、栗東・武英智厩舎)である。

 そのメイケイエールは、重賞2勝を含むデビュー3連勝を飾った快速牝馬。4連勝を狙った前走は、出遅れて後方からの競馬を強いられた。道中は掛かり気味に位置を押し上げていくと、直線では一瞬突き抜けると思わせるほどの伸びを見せた。しかし、最後は坂を上ったところで息切れ。結局、勝ったソダシから0秒2差の4着に終わった。

 デビューから1200mで2連勝を飾ったように本質的にはスプリンターだが、初マイルの前走で距離克服にはメドが立ったと言えるだろう。それでも課題は、これまで通り「折り合い」の一点。鞍上を務める武豊騎手は、前走後も「なかなか折り合いに苦労しました」と話し、武智調教師も「とにかく我慢のレースを」と課題解消に陣営は一丸となり取り組んでいる。

 実績的には抜けた存在だが、約3か月ぶりの実戦で、あくまでも桜花賞を見据えたたたき台。折り合いを重視しすぎれば、他馬に足をすくわれる可能性も十分あるだろう。

 打倒メイケイエールの筆頭がエリザベスタワー(牝3歳、栗東・高野友和厩舎)だ。

 新馬戦をノーステッキで快勝。その勝ちっぷりから一躍、桜花賞候補と騒がれたが、1番人気に支持された前走のエルフィンS(L)はまさかの9着に沈んだ。デビューからの2戦は武騎手が手綱を取ったが、今回は川田将雅騎手に乗り替わる。

 1週前追い切りでは、栗東坂路で51秒7-12秒6の好時計をマークするなど、桜花賞の権利獲りに向けて至極順調。母はドイツのオークス馬という良血馬が、新馬戦を差し切った阪神マイルの舞台で巻き返しを図る。

 福永祐一騎手から池添謙一騎手への乗り替わりで巻き返しを図るのはテンハッピーローズ(牝3歳、栗東・高柳大輔厩舎)だ。

 前走のフェアリーS(G3)では、1番人気に支持されたが、4着に敗れた。レース後、福永騎手は「外へ膨れ気味になって、少しずつ脚をそがれたのだと思います。馬込みに入れる形でないと、現状脚を溜められないのかもしれません」と敗因を分析。そのコメント通りなら、内枠が好走の絶対条件になりそうだ。

 今回鞍上を務める池添騎手は2004年スイープトウショウと16年シンハライトでチューリップ賞を勝っている。その2頭は後に池添騎手とのコンビでG1を制覇している。テンハッピーローズもその流れに乗れるだろうか。

 ストゥーティ(牝3歳、栗東・奥村豊厩舎)は血統が魅力。父はモーリス、そして母リラヴァティはハープスターが勝った14年のチューリップ賞で6番人気ながら3着に好走した経験を持つ。

 このほかには、バリコノユメ(牝3歳、栗東・松永昌博厩舎)にも注目。父ウインバリアシオンはオルフェーヴル世代で、重賞2勝の他、日本ダービーなどG1・2着が4度というシルバーコレクターだった。その2年目産駒が待望のJRA重賞初挑戦を果たす。

 馬主がDeNAの三浦大輔監督というマリーナ(牝3歳、栗東・矢作芳人厩舎)は、デビュー9戦目でようやく勝ち上がったばかり。開幕を控える新人監督に桜花賞権利獲りの朗報を伝えることはできるか。

 桜花賞に向けた重要なトライアルレースを制するのは果たしてどの馬か。発走は6日15時35分を予定している。

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