JRA武豊「一番強い競馬をした」メイケイエール桜花賞(G1)へ向け始動! 宿敵ソダシと明暗分ける絶好データも後押し
桜花賞(G1)での逆転は可能なのだろうか。
6日、阪神競馬場で行われるチューリップ賞(G2)に、メイケイエール(牝3歳、栗東・武英智厩舎)が出走を予定している。
デビュー戦を5馬身差で圧勝した同馬は、小倉2歳S(G3)、ファンタジーS(G3)も快勝。しかし、無敗の4連勝も懸かっていた前走の阪神JF(G1)では4着と初の黒星を喫した。
騎乗した武豊騎手がレース後「3角あたりまではスムーズだったけど、そこから掛かって、なかなか折り合いがつかなかった」と振り返ったように、やはりネックとなるのが前進気勢の強過ぎる気性面。これまで、1200m、1400mと連勝を重ねてきたが、敗れた前走の阪神JFと同じ1600mの舞台には不安が募る。
だが、これまでもハミや鼻革を替えるなど、様々な工夫を凝らしてきたメイケイエール陣営。鞍上の武豊騎手もレースの際、集団から遠ざけることで折り合いをつけようとするなどチーム一丸で課題の気性面改善に注力してきた。
陣営も「調教では少しずつ良くなっています」とこれまでの成果を実感。「調教でも(手綱を)離した時の瞬発力は、今までにないような馬」と語ったように秘めるポテンシャルは相当で、今回も自身との戦いとなりそうだ。
そんなメイケイエールだが、最大の目標は次走の桜花賞。最大のライバルとなるのは、もちろん阪神JFで負かされた白毛馬のソダシだろう。
しかし、メイケイエールにとっては、桜花賞出走にあたり有利となりそうなデータが存在する。ソダシは桜花賞に直行することが発表されているが、過去10年では阪神JFからの直行組による勝ち馬が出ていないのだ。
これまで阪神JFからの直行組は【0-1-0-3/4】と4回走って2着が1回のみ。それに対し、チューリップ賞組は【5-7-6-28/46】と出走回数は多いものの5勝を挙げる活躍をしている。
ただ、チューリップ賞がG2に昇格した2018年以降は、桜花賞に参戦した馬の勝ち星がないのも事実。しかし、これに関しては心配する必要はないのかもしれない。
というのも、近3年の勝ち馬はアーモンドアイ、グランアレグリア、デアリングタクトの3頭。どれも偉業を成し遂げた歴史的名牝であったことを思えば、ローテーションなどは関係なかったともとれるだろう。
武英智調教師は『デイリースポーツ』の取材に対し、「ユタカさんが(阪神JFは)『一番強い競馬をした』って言ってくれました。あの内容ならG1でもと思いました」と桜花賞へ向けて、大きな期待を抱いている。
阪神JFでは道中で外々を回り、直線で一度は先頭に立ちながらも最後に失速したメイケイエール。最後は内を突いたソダシが栄冠を手にした。
2頭は毛色こそ違うが、同じ母系のシラユキヒメ一族。あれから2カ月半、大人になりつつあるメイケイエールが、チューリップ賞でどういった競馬をするのかは見物だ。
桜花賞に向け再び始まる自身との戦い。己に打ち勝つことさえできれば、宿敵ソダシへのリベンジは果たせるかもしれない。