【徹底考察】有馬記念(G1) サトノダイヤモンド「世代最強を証明した菊花賞。有馬記念制覇に向け、レジェンドだけに許された最強馬の『領域』に手を掛ける」
逆に述べれば、本馬が「レジェンド」といえるだけの歴代最強馬と比肩できるだけの能力があるのか否かという点が、本馬が有馬記念を勝ち切れるのかという判断材料になる。
当然ながら、近年でもキタサンブラック、スリーロールス(中止)、ザッツザプレンティといった3歳の有馬記念で敗れた菊花賞馬もおり、有馬記念の勝敗はそういった馬たちとの分水嶺を示している。
その上で結論を述べると”ハードル”は極めて高いながらも、サトノダイヤモンドの菊花賞は「歴代の3冠馬にも匹敵する」と最大級の評価をしただけに、上記した10頭の内で菊花賞を戦ったシンボリルドルフ、ナリタブライアン、マヤノトップガン、マンハッタンカフェ、オルフェーヴル、ゴールドシップといった面々の内容と遜色ない可能性は充分だ。
「圧倒的に内々を回れた馬が有利」といわれている近年の菊花賞を外からまくって差し切った内容は、少なくとも昨年のキタサンブラックを上回っていると述べて良いだろう。
もっとも現在のキタサンブラックは、先述した10頭にも勝るとも劣らない歴史的名馬の仲間入りを果たしそうな程の充実ぶりを見せている。
だが、そんな王者を破ってこそ、サトノダイヤモンドに「歴代最強馬への扉が開かれる」と述べることができるのも、また事実ではないだろうか。
(監修=下田照雄(栗東担当))