JRA桜花賞(G1)ソダシVSサトノレイナスは「トレセンVS外厩」の代理戦争?須貝調教師「意味深発言」の真意とは……
6日、阪神競馬場ではチューリップ賞(G2)が行われ、1~3着馬が桜花賞(G1)への切符を手にする。ただ、このトライアルがどのような結果になろうとも変わらないのは、桜花賞の主役を張るのはソダシ(牝3歳、栗東・須貝尚介厩舎)ということだ。
昨年の阪神JF(G1)をデビュー4連勝で制し、牝馬3冠の1冠目には直行することが決まっている。そのソダシとハナ差の大接戦を演じたのがサトノレイナス(牝3歳、美浦・国枝栄厩舎)で、こちらも桜花賞には直行する。
ソダシは金子真人氏、サトノレイナスは里見治氏という“2大”大物馬主の所有馬だが、生産したのはどちらもノーザンファーム。G1直行は近年のトレンドでもあり、他のノーザンファーム生産馬にチャンスを与えるための“使い分け”という側面もあるだろう。
今年の牝馬クラシック路線で有力視されるソダシとサトノレイナス。注目したいのは、2頭のトレセンへの帰厩タイミングだ。
ソダシは前走後、ノーザンファームしがらきに放牧に出されていたが、先月10日に栗東トレセンに帰厩。先月18日には栗東坂路で帰厩後初時計をマーク。今月4日には併せ馬もこなし、本番に向けて順調に乗り込まれている。
一方のサトノレイナスは、前走後にノーザンファーム天栄に放牧に出され、今月7日の週に帰厩が予定されている。つまり、2頭とも阪神JFから桜花賞への直行は同じだが、帰厩タイミングは1か月もの差があるということだ。
「近年は外厩施設の充実でぶっつけ本番の直行ローテーションが増えたのは周知の通り。帰厩タイミングはおおむねレースの1か月前というのが主流です。ソダシが桜花賞の2か月も前に帰厩したのは『異例』と言えるかもしれません。
同じノーザンファームの生産馬ですが、トレセンで2か月以上過ごすソダシと1か月ほどのサトノレイナスの戦いは、『トレセンVS外厩』の代理戦争といえるかもしれませんね」(競馬誌ライター)
2歳女王としてより注目される存在のソダシ。なぜ異例の2か月も前に帰厩したのだろうか。
「ソダシを管理する須貝調教師は2月上旬の帰厩時に『考えていることがあるから、早めに戻します』と意味深な発言をしています。これは、須貝調教師のささやかな抵抗かもしれません。あくまでも推測ですが、もともと休み明けより、使いつつ調整することに定評がある須貝調教師なので、早めに帰厩することを条件に直行することを飲んだのかもしれません」(同)