JRA武豊「納得してくれるかどうか」チューリップ賞(G2)メイケイエール試練の「1枠1番」が逆に好都合となりそうな理由

「よっしゃー!」

 昨年12月の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)で枠順が決まった際、メイケイエールを管理する武英智調教師は“雄叫び”を上げた。

「スタートがそれほど速くないので、前にたくさん馬がいると不安だった。内枠でケンカする形になるのが嫌だった。この枠ならジョッキー心理として乗りやすい。一気に前が開けた」

 武英調教師は8枠18番の大外枠に『スポーツ報知』の取材でそのようにコメント。メイケイエールは極度のかかり癖があり、武英調教師も頭を悩ませているのだ。

 ただ、6日に阪神競馬場で行われるチューリップ賞(G2)では、阪神JFとは真逆となる1枠1番。ここ3走は7枠→7枠→8枠と外だったが、同じく1枠1番からの発走となったデビュー戦で体験した試練が再度やってきたといえるだろう。

 デビュー戦で騎乗した福永祐一騎手は「気が勝って前向き過ぎるので、行かさないように運びました」と話したが、1200m戦であるにも関わらず道中はかかりっぱなし。今回は距離が1600mとなり比較的ペースも遅くなるだけに、1番枠が仇となる可能性は高い。

 鞍上の武豊騎手は自身が出演する『武豊TV!ll』(フジテレビ系)で昨年の阪神JFを振り返った際「一瞬、『馬の真後ろに入れて我慢できるかな?』と思った」と、前を走っていたアオイゴールドを使って“馬の壁”を試している。

 しかし「ちょっと触りましたもんね。前の馬に……」と話したように、メイケイエールは躊躇することなく前の馬に突進。経験豊富な武豊騎手だけに事なきを得たが、馬の後ろで折り合わせることには失敗しているのだ。

 その一方、武豊騎手は阪神JF後に更新した自身の公式ホームページで「内枠だったら前の馬を壁にして折り合ったのかどうか、大外枠だったから逆によかったのか、そこもあの1戦だけではハッキリとはわかりませんでした」と、最終的な結論は出していない。

「桜花賞(G1)の前にもう1戦できるのなら、そこが名実ともにトライアルになりそうです」と、本番前に内枠で前を壁にする競馬も試したいとも取れる発言からは、本番へ向けてはこれ以上ない枠ともいえそうだ。

「追い込みという戦法でメイケイエールが納得してくれるかどうかです」

 前走の阪神JFで早め進出から最後一杯になった走りからも、武豊騎手の言葉からはメイケイエールの持つ破壊力を最後の直線に全集中させたい思惑が見て取れる。

 集大成となる桜花賞までは、これが最後のレース。理想的な試走ができたとき、メイケイエールが桜花賞で戴冠する可能性はグッと高まりそうだ。

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