JRA戸崎圭太、後輩・坂井瑠星に昔は嫌われていた!? サウジ遠征を共にした先輩・後輩の「意外な関係」とは
2月20日、サウジアラビアのリヤドダートスプリントは日本から遠征したコパノキッキングが優勝。2着にも戸崎圭太騎手が騎乗したマテラスカイと日本馬のワンツーフィニッシュとなった。
その一方で、6着に敗れたのが坂井瑠星騎手とジャスティン(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎)だった。
その後ジャスティンは27日のドバイゴールデンシャヒーン(G1)に向け既にドバイ入り。引き続き騎乗を予定する坂井騎手も現地に留まり、ジャスティンの調教をつける毎日を送っているようだ。
そんな坂井騎手は、これまでにも海外での騎乗経験が豊富。2017年にオーストラリアでの自主研修を開始すると、翌年には異国の地で1日2勝を挙げる活躍も見せている。
同年5月にビザ更新のため一時帰国したが、再びオーストラリアに戻った際はアデレードのトップトレーナーであるライアン・バルフォー厩舎と専属契約。11月にオーストラリアを離れるまで、同厩舎の主戦騎手として活躍もした。
さらに2018年10月、オーストラリアのコーフィールド競馬場で行われたコーフィールドカップ(G1)では、日本馬のソールインパクトに騎乗。G1初騎乗が海外という珍しい経歴も持っている。また、ドバイミーティングの際にはドバイへ渡り、リアルスティールの追い切りを手伝うなど積極的に海外経験を積んだジョッキーである。
その後も、アメリカと香港へ渡り、香港では香港国際競走へ出走するモズアスコットなどの追い切りを手伝った坂井騎手。英語も流暢とのことで、今年のサウジカップデーでともに遠征した戸崎圭太騎手も「いやあ非常に頼りましたね」と、後輩騎手の英語力に助けられたようだ。
しかし、坂井騎手にとって戸崎騎手は「因縁の相手」といえる存在だったようだ。
戸崎騎手は『競馬ラボ』で連載インタビューコラム『週刊!戸崎圭太』にて「彼は英光さんと比較して、『僕の方が勝つから昔は嫌いだった』と言っていましたよ(笑)」と語っている。「英光さん」とは、坂井騎手の父である大井競馬の元騎手・坂井英光調教師だ。
2006年には自身初となる年間100勝超えを達成し、南関東7位にランクインした父・英光騎手。2010年には年間216勝を挙げ南関東2位まで上り詰めたが、その上にいたのが戸崎騎手だった。
今となっては凌ぎを削るライバルでもある坂井騎手と戸崎騎手。しかし、子供の頃の坂井騎手にとっては父親を負かす戸崎騎手が嫌いだったということだろう。
戸崎騎手はその後、2013年にJRAへ移籍。初年度から113勝を挙げリーディング5位につけると、坂井騎手がデビューする2016年には3年連続のリーディングジョッキーに輝いている。
先日のサウジカップデーも、リヤドダートスプリントでマテラスカイを2着、サウジダービーでピンクカメハメハを勝利に導くなど、見事な騎乗を披露した戸崎騎手。坂井騎手にとっても、いまは尊敬する先輩の一人と変わっていることだろう。
リヤドダートスプリントのレース後「すごく悔しいです」と語った坂井騎手。ドバイゴールデンシャヒーンでは、悔しい敗戦をバネに戸崎騎手のような海外勝利を期待したいところだ。