JRA「全然ダメなのかな?」武豊の過小評価を覆したデアリングタクト…… 金鯱賞(G2)アーモンドアイに続く名牝街道への絶対条件とは

 14日、中京競馬場で開催される金鯱賞(G2)に、昨年無敗で3冠牝馬に輝いたデアリングタクト(牝4歳、栗東・杉山晴紀厩舎)が出走する。

 歴史的一戦となった前走のジャパンC(G1)では、同じく3冠馬のアーモンドアイとコントレイルの後塵を拝し、3着に敗れた。それ以来の実戦となるが、前哨戦とはいえ負けるわけにはいかない。

 10日の最終追い切りは、栗東坂路で52秒9と、自己ベストに0秒1に迫る全体時計をマークしたデアリングタクト。最初の1ハロンを14秒6でゆったり入ると、2ハロン目から13秒6-12秒5-12秒2と加速ラップを刻んだ。ラスト3ハロンから同1ハロンにかけては全て自己記録を更新。古馬となってさらなる成長をアピールした形だ。

 敗れたとはいえ、ジャパンCではアーモンドアイと0秒2差、コントレイルとはタイム差なしと奮闘。無敗3冠がフロックではないことを見事に証明した。

 ジャパンCを振り返っておこう。道中はアーモンドアイを前に見ながら中団を追走。4角で外に持ち出そうとしたが、すぐ後ろにいたコントレイルに外から被せられ、内へ大きくよれてしまった。松山騎手は「最後は内へ内へともたれてしまった」と振り返ったように並みの馬なら馬群に沈んでもおかしくないパターン。しかし、鞍上の左ムチに応えたデアリングタクトは驚異の粘りを発揮。ゴール寸前でカレンブーケドールとグローリーヴェイズを交わし、3着を死守した。

 同レースにワールドプレミアで参戦していたのはレジェンド武豊騎手だ。昨年末に放送された『フジテレビONE TWO NEXT』の『武豊TV!II』でジャパンCを回顧した際、デアリングタクトの走りについて次のように語っている。

「デアリングタクトは手応えがないから、全然だめなのかなと思ったら、え?3着?と思いましたね。(デアリングタクトが)もっと下がってきたような感覚があったので……」と間近で見た3冠牝馬の粘り腰に感嘆の声を漏らした。

 あれから3か月半。デアリングタクト陣営は4歳初戦に金鯱賞を選択。ジャパンCで僅差5着のグローリーヴェイズや4連勝中の上がり馬ポタジェなど相手関係は決して楽ではない。それでもアーモンドアイに続く名牝の道を歩むためには勝利が絶対だ。

 3冠牝馬はデアリングタクトが史上6頭目。意外にも過去の3冠牝馬たちは4歳初戦で苦戦しているケースが多い。

【JRA3冠牝馬の4歳初戦レースと結果】
メジロラモーヌ → 未出走
スティルインラブ → 5月金鯱賞(5番人気8着)
アパパネ → 4月マイラーズC(4番人気4着)
ジェンティルドンナ → 3月ドバイシーマC(1番人気2着)
アーモンドアイ → 3月ドバイターフ(1番人気1着)
デアリングタクト → 3月金鯱賞(?)

 3歳暮れに引退したメジロラモーヌを除くと、4頭中3頭は4歳の始動戦を取りこぼしている。3冠牝馬として4歳初戦に勝利したのはアーモンドアイのみ。ただ一頭、例外となったアーモンドアイは、昨秋に引退するまで歴代最多の芝G1・9勝を挙げた。

 デアリングタクトがアーモンドアイと同じ名牝の道を歩むためにも、始動戦でしっかり結果を残したい。

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