JRAかつてのライバル、サリオス、レシステンシアの遠ざかる背中……。復活期すあの馬に激走の予感
14日、中山競馬場で行われる東風S(L)にクラヴァシュドール(牝4、栗東・中内田充正厩舎)が出走する。
クラヴァシュドールは、19年2月の2歳新馬戦をデビュー勝ちするも、以降勝ち星がなく、悔しい結果が続いているもどかしい現状。2ヶ月前のニューイヤーS(L)では1番人気を裏切る5着に凡走したが、過去の実績から重賞でも結果を出してもおかしくないような片鱗をところどころに見せている。
例えば、2年前阪神JF(G1)。3番人気で3着に終わったが、4番人気に過ぎなかった勝ち馬のレシステンシアを上回る評価。このレースで1番人気だったリアアメリアは中山牝馬Sでも1番人気が予想されている実力馬だ。
それ以上に注目したいレースは約1年前のチューリップ賞(G2)だろう。
最内の1枠1番から4番手の好位につけながらレースを展開し、直線に入り先頭を窺ったクラヴァシュドール。残り200mから抜け出て先頭に立ったものの、マルターズディオサの前にハナ差の2着でレースを終えた。敗れたとはいえ、阪神JFで敗北を喫したレシステンシアを抑えた好走であることを考えると、トップクラスの力を証明したといえるだろう。
重賞初挑戦となったサウジアラビアRC(G3)も押さえておきたい。9頭立てのレースで5番手の中団につけ、最後の直線に入って追い出されると、1番人気のサリオスと一騎打ちの展開。サリオスとの叩き合いには敗れたが、0.2秒差の2着でレースを終えた。
この後、サリオスは朝日杯FS(G1)を優勝し、古馬が相手となった毎日王冠(G2)でも勝利を飾る活躍を見せた。クラシックでも皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)で、連続してコントレイルの2着に入るなど、輝かしい成績を収めている。今年は大阪杯(G1)からの始動を予定しているように、その力は現役トップクラスである。
そんな、リアアメリアやレシステンシア、そしてサリオスと肩を並べていたクラヴァシュドール。好成績を収めたライバルたちはいまや遠い存在となってしまったが、諦めるのはまだ早い。
父ハーツクライが有馬記念(G1)やドバイシーマC(G1)で悲願の勝利を果たしたのは、今のクラヴァシュドールと同じく4歳の時である。
とはいえ、そろそろ重賞での勝利を手にしたいのは紛うことなき事実だ。まずは今週末の東風Sを無難に勝利することで、勝ちのリズムを作っていくきっかけを掴んでくれることを願うばかりである。