JRAシーザリオとネオユニヴァースの想い背負って桜花賞(G1)を見据える大器ベッラノーヴァ、アネモネS(L)で権利ゲットへ!
10日、誕生日を迎えたアーモンドアイがエピファネイアの仔を無事に受胎したというニュースが駆け巡った。歴代最強牝馬とも称されるアーモンドアイと、三冠牝馬で14日に金鯱賞(G2)への出走が確定しているデアリングタクト、AJCC(G2)の覇者アリストテレスなどの父エピファネイア、一体どんな仔が生まれるのか期待に胸が踊る。
今週末13日に中山競馬場で行なわれるアネモネS(L)に出走するベッラノーヴァ(牝3歳、美浦・金成貴史厩舎)もエピファネイア産駒の一頭だ。
桜花賞トライアルレースに位置づけられているフィリーズレビュー(G2)の除外対象となって、同レースに出走することが決まっており、現在単勝1倍台の予想がされている。
他にも、先日のエルフィンS(L)で12番人気ながら2着でレースを終え、三連単200万円超えの立役者となったスンリや、デビュー戦から藤田菜七子騎手とタッグを組んで話題になり、クイーンC(G3)にも出走したレッジャードロなど本番の桜花賞へ向けて弾みをつけたいライバルが出走する。また同じエピファネイア産駒のグローリアスカペラも出走を決めている。
とはいえ、ベッラノーヴァが1番人気であることに大きな違和感はない。
4番人気ながら1着で勝利を果たした2歳新馬戦、6番人気で3着を勝ち取った1月のフェアリーS(G3)に続き、今回が3回目の出走となるベッラノーヴァ。馬体重は2歳新馬戦時点で396kg、前走フェアリーS時点で406kgと大変小柄ながら、特に後者では3着としっかりと見せ場を作った。
最内1番でのスタートで、序盤から後方につけてゆっくりとレースの流れに身を任す。一時は最後方まで位置を落としながら、コーナーを曲がるまで後方での走りを維持し、直線に入った瞬間に一気にギアを上げる。大外から驚異的な加速を見せながら怒涛の追い込みをかけて馬群を一気に抜きさり、6番人気ながら堂々の3着。メンバー最速の上がり3ハロン34秒9の末脚を披露した。
レース後、鞍上の丸山元気騎手は「一度つかって気持ちが入ってきていた。1600mということもあって、道中は我慢させた。ペースが遅くても、終いを活かしたいい競馬ができた」とコメントし、思い描いた通りのレースを展開できたことがうかがえる。
今回のレースもフェアリーSの舞台と同じく中山芝1600m。鞍上は石橋脩騎手の想定で、前走までの丸山騎手とは乗り代わりという形にはなるが、前走通りの走りを見せてくれれば勝ち負けを期待できそうだ。
この2週間は、名馬たちの多くの訃報が届いた。
2月28日にはベッラノーヴァの父母にあたるシーザリオ、3月8日には母父にあたるネオユニヴァースの訃報が競馬ファンを涙させた。天国で見守っている祖父母の想いを背負って、また無事アーモンドアイとの受胎を果たした父エピファネイアへの祝福を込めて、得意の末脚で危なげなく桜花賞へ駒を進めてほしい。