JRA川田将雅ダノンザキッドの「悪夢」再び!? スプリングS(G2)ボーデン皐月賞(G1)権利取りに黄色信号……「6馬身差」圧勝はまやかしか
6馬身差の圧勝は、まやかしか……。
21日、中山競馬場で行われるスプリングS(G2)に、ボーデン(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)が出走予定。3月に入り絶好調の川田将雅騎手が騎乗する。
ボーデンは1月30日の未勝利戦で、6馬身差の圧勝。他馬とは次元の違う走りで、見ているものを驚かせた。
レースは16頭立ての芝1800m戦で、好スタートから5番手に控えると道中は抜群の手応えで外々を追走。騎乗した川田騎手が残り400m手前から促すと、一気に突き抜けて圧勝している。
ボーデンの叩き出した勝ち時計は「1.45.2」。過去に東京競馬場で行われた3歳以下の1800m戦では2番目に速いタイムで、これを上回ったのは昨年の三冠馬・コントレイルしかいないのだから、馬場状態などを考慮しても評価に値するものだろう。
ボーデンが勝利したのは未勝利戦であったが、デビュー戦ではマッチレースの末、2着に惜敗。未勝利戦を圧勝した際に「前走は勝った馬が強かったですからね」と語ったのがディオスバリエンテだった。
しかし、ディオスバリエンテは2戦目の共同通信杯(G3)で11着に惨敗。中山1800mでデビューした2頭の明暗はくっきりと分かれたかに思われるが、ボーデンにも黄色信号が灯っている。
「新馬戦でマッチレースを繰り広げた2頭ですが、ディオスバリエンテは共同通信杯で大きくパフォーマンスを落しました。一方、同じく東京の1800mで大きくパフォーマンスを上げたのがボーデンで、メンバーが違うとはいえ6馬身差の楽勝は圧巻でした。
これら2頭を比較すると、ディオスバリエンテは中山の方が合っているのかもしれませんし、逆に言えばボーデンが東京巧者という可能性もあるのではないでしょうか」(競馬記者)
木村哲也調教師がデビュー戦のレース後「返し馬でもコントロールの難しさを見せていました」と語ったように、気性面での上積みもあったのかもしれない。ただ、コースの違いというのも競走馬の走りに大きな影響を及ぼすことは事実。確かに、ボーデンの未勝利戦は東京競馬場がマッチしていたという可能性も否定はできない。
今回、ボーデンが出走するスプリングSは、敗れたデビュー戦と同じ中山1800m。ボーデンが東京で見せたパフォーマンスを下げる可能性も十分に考えられそうだ。
鞍上の川田騎手は先日、同じ中山競馬場で行われた弥生賞(G2)では、断然1番人気のダノンザキッドで3着。14日の金鯱賞(G2)では2番人気のグローリーヴェイズで4着と人気と下回る着順に終わっている。
現在、収得賞金400万円のボーデンにとっては、皐月賞(G1)出走へ向けて優先出走権(3着以内)が必須。この1戦がボーデンにとって重要であることは間違いないだろう。
デビュー戦から手綱を執る川田騎手が、今回ボーデンをどのように導くのか。その手腕に期待したいところだ。