JRAスプリングS(G2)で「超新星」誕生!? サンデーサイレンス最後の大物「中山の鬼2世」の父が夢見たクラシック参戦へ!
21日、中山競馬場では第70回スプリングS(G2)が行われる。
今年は重賞勝ち馬が不在で、まさに実力伯仲。皐月賞(G1)への3枚の切符を巡る熱い戦いが見られそうだ。
注目度は決して高くないが、ロードトゥフェイム(牡3歳、美浦・尾形和幸厩舎)の上昇度には目を見張るものがある。昨年12月にデビュー3戦目で未勝利戦を勝ち上がると、続く若竹賞(1勝クラス)も制して、2連勝で一気にオープンクラス入りを果たした。
「陣営もコメントしているように、これまではソエの影響で緩い調教しかできていませんでした。それでいて、この2戦は大外を捲る強い競馬。前走から約2か月間隔を取り、満を持して(皐月賞の)権利獲りに挑みます。
圧巻は17日(水)の最終追い切り。美浦坂路で加速ラップを踏んで、51秒8-12秒3という好時計をマークしました。これは同日に追い切られた3歳馬のなかでは2番目に速い時計。3戦2勝と結果を出している中山が舞台なら、ランドオブリバティなど上位陣に割って入るチャンスは十分あると思いますよ」(競馬誌ライター)
中山では「2-0-1-0」というロードトゥフェイム。そのコース巧者ぶりは父譲りなのかもしれない。
「父のマツリダゴッホは、サンデーサイレンスのラストクロップ(最終世代)の大物として、デビュー当時から大きな期待をかけられていました。しかし、3歳春の青葉賞(G2)は2番人気で4着、秋のセントライト記念(G2)は3番人気で無念の競走中止となり、結局クラシック3冠への出走は叶いませんでした。
しかし、その後は4歳初戦のAJCC(G2)を楽勝すると、その年の有馬記念(G1)を9番人気で勝利するなど、中山の中長距離重賞を次々と制覇。中山では『8—1—1—3』(うち重賞6勝)という好相性を誇りました」(同)
これまで5頭の産駒がJRA重賞を計7勝しているが、中山での勝利は、ロードクエストが16年京王杯AH(G3)を制した1勝だけ。「中山の鬼」と呼ばれるほどの“後継者”は出ていないが、ロードトゥフェイムは、過去2戦の勝ちっぷりから、その資格は十分ありそうだ。
生産者はマツリダゴッホと同じ岡田スタッドで、後継候補としてはまさに最適。父が果たせなかったクラシック出走へ向けて、まずはスプリングSで「中山の鬼2世」を襲名し、名声への道を切り開く。