JRAスプリングS(G2)混戦模様の牡馬クラシック戦線に突如出現した「超新星」ボーデンと「自由な子」ランドオブリバティの対決は必見!
21日、中山競馬場ではスプリングS(G2)が行われる。1着~3着馬には皐月賞(G1)への優先出走権が与えられるため、今後クラシックを狙って行く3歳馬たちにとっては非常に重要な一戦となる。
今年は重賞勝ち馬がおらず、レベルがやや低いメンバーだが、中でも注目を集めるのが川田将雅騎手騎乗のボーデン(牡3、美浦・木村哲也厩舎)と三浦皇成騎手騎乗のランドオブリバティ(牡3、美浦・鹿戸雄一厩舎)の2頭だろう。
ボーデンは昨年12月にスプリングSと同舞台の中山・芝1800mでデビュー。共同通信杯(G3)で上位人気だったディオスバリエンテと接戦を演じたが、惜しくも2着に敗れた。だが、東京競馬場に舞台を移した1月の未勝利戦(東京・芝1800m)では驚愕のパフォーマンスを見せる。
1000m通過が57.9秒というハイペースの中を5番手で追走。直線を向くと瞬く間に先頭を奪い、残り200m手前から持ったまま「1:45.2」で駆け抜け、後続を6馬身千切った。同日同コースの古馬1勝クラスが1:48.5、翌日のセントポーリア賞(3歳1勝クラス)は1:46.5。因みにこのコースのレコードタイムは2007年にチョウサンが毎日王冠(G2)で記録した1:44.2。2019年の東京スポーツ杯2歳S(G3)を1:44.5で走ったコントレイルは三冠馬となったが、このレースで鞍上R・ムーア騎手は「最後まで追った」という。
単純な比較は出来ないが、今や皐月賞の最有力候補である無敗馬エフフォーリアの共同通信杯の勝ちタイムが1:47.6という事を鑑みてもボーデンは「並の馬」ではないだろう。
対するランドオブリバティだが「名は体を表す」とでも言おうか、とても自由だ。競馬場は決して「自由な国」ではないのだが彼にとってはお構いなしで、中山、中京で見せたその自由気ままな姿に愛着を覚えるファンも多い。「制御の利かない馬」は、どこかオルフェーヴルを想起させる魅力がある。
ここ2戦は気難しさを出してしまったが、デビュー戦は東京・芝2000mを15頭立ての14番枠からキッチリ勝ち切り、2戦目の芙蓉S(OP)は楽々と3馬身半突き抜けたように将来性は豊か。三浦騎手にとっては、Ⅿ.デムーロ騎手に渡りかけた素質馬が戻って来たチャンスを是が非でもモノにしたいところだろう。
前出エフフォーリアに苦汁を飲まされたヴィクティファルス(牡3、栗東・池添学厩舎)はテン乗りの池添謙一騎手、レインフロムヘヴン(牡3、美浦・堀宣行厩舎)は前走に引き続き、石橋脩騎手で皐月賞本番での逆襲を誓っての参戦。ヴィクティファルスは「エフフォーリアの2着」という実績からも注目度は高く、上位人気が予想される。
その他の各馬も曲者揃いな上、当日は「雨模様」と来てはスプリングSも一筋縄でいくだろうか。先週は雨がWIN5史上最高配当5億5444万6060円という「まさかのイタズラ」をしたばかりだ。
金鯱賞(G2)の西村淳也騎手に続けと初重賞制覇を狙う嶋田純次騎手はアサマノイタズラ(牡3、美浦・手塚貴久厩舎)に騎乗する。デビュー戦こそディオスバリエンテとボーデンに4馬身離されたが、その後2戦を見ると面白味はありそうに思える。