JRA【毎日杯(G3)展望】2戦2勝グレートマジシャンVS「超良血」シャフリヤール&ルペルカーリア!「大混戦」牡馬クラシックの“最終便”は三つ巴!?
先日の弥生賞(G2)でダノンザキッドが敗れ、混戦模様を呈している今年の牡馬クラシック戦線。皐月賞(G1)最終便ともいえる毎日杯(G3)が20日、阪神競馬場で行われる。
大目標に日本ダービーを掲げているのは、デビュー2連勝中のグレートマジシャン(牡3歳、美浦・宮田敬介厩舎)。陣営は、毎日杯の結果にかかわらず、皐月賞には出走しないことを明言している。間隔を空けて使われている馬だけに一戦必勝態勢で賞金加算に臨む。
昨秋の新馬戦勝利後は、3か月の間隔を空けてセントポーリア賞(1勝クラス)に出走。2着に2馬身半差をつけ、デビュー2連勝を飾った。
管理するのは2年目、40歳の宮田調教師。前走後には、「改めて能力の高さを感じました」と話した通り、秘める素質は一級品。勝てば、もちろん同師にとって重賞初制覇となる。
一方、デビューから手綱を握るC.ルメール騎手の評価は手厳しい。前走後には、「まだ走りが子供っぽくて、ゲートの中で興奮したり、(こちらが)怖い(と思うような)動きをしたりしていました」と粗削りな面は否めない。裏を返せば、期待の証しでもあるが、課題は少なくないようだ。
想定段階では10頭未満の少頭数となりそうで、これは同馬にとってプラスに働きそう。デビュー3連勝で大舞台に向かうことはできるのか。今後に向けて試金石となる。
グレートマジシャンと同じディープインパクト産駒で大物感漂うシャフリヤール(牡3歳、栗東・藤原英昭厩舎)も有力視される1頭だ。
全兄にはG1・2勝のアルアインがいて、デビュー前から大きな期待を背負っていた。グレートマジシャンと同じキャリア2戦の身だが、2戦目で果敢に共同通信杯(G3)に挑戦。外枠がたたって3着に敗れ、賞金加算に失敗した。それでも2位タイの上がり時計をマークしており、素質の一端は垣間見えた。
中間は在厩で調整され、1週前に栗東CWで5ハロン67秒7-ラスト12秒0の好時計をマーク。兄は毎日杯を勝ち、その勢いに乗って、続く皐月賞(G1)を9番人気で制覇したが、弟はそれに続くことはできるだろうか。
血統面の注目度でシャフリヤールを上回るのがルペルカーリア(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)だろう。
父はモーリス、母は名牝シーザリオ。つまりエピファネイアやサートゥルナーリアが兄にいる超がつく良血馬だ。
昨年9月の新馬戦では断然1番人気に支持されたが、まさかの4着に敗れ、競走馬として早くも暗雲が漂った。その後、陣営は立て直しを図り、1月の未勝利戦で一発回答。2着に3馬身差をつける楽勝で、クラシックの最終便に臨む。
モーリス産駒は父同様にやや晩成傾向で、本格化はもう少し先だろう。逆にいえば、ルペルカーリアがここで結果を出すようなら、かなりの大物と言えるかもしれない。重賞でも結果を出し始めたモーリス産駒の大将格が重賞初挑戦でそのベールを脱ぐ。
この他には、若駒S(L)5着も、良馬場なら見直したいレヴェッツァ(牡3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)。重賞2戦はともに2桁着順だが、距離延長で変わり身が期待されるダディーズビビッド(牡3歳、栗東・千田輝彦厩舎)。父がダービー馬のロジユニヴァースという「ロジ」期待のロジローズ(牡3歳、美浦・大竹正博厩舎)などが出走を予定している。
少頭数ながら良血馬が顔をそろえる注目の一戦は、27日15時35分に発走予定だ。