JRA「超異例」C.ルメールが「G1同日裏開催」のダート重賞に登場! 相棒アメリカンシードはダート3戦で合計「17馬身差」の超有望株【マーチS(G3)展望】

 28日、中山競馬場ではダートのハンデ重賞、マーチS(G3)が行われる。同日には中京競馬場で高松宮記念(G1)もあるが、リーディング首位を独走するC.ルメール騎手は裏開催の中山に参戦する。

 ルメール騎手がG1を諦めてまで騎乗を選択したと見られているのが、アメリカンシード(牡4歳、栗東・藤岡健一厩舎)だ。

 デビューから3歳夏までは芝の中距離戦を使われ、若葉S(L)3着、皐月賞(G1)では12着という結果を残していたアメリカンシード。昨秋にダート路線に転向すると、その才能が一気に開花。自己条件を3連勝し、一気にオープン入りを果たし、初のダート重賞に挑む。

 ダート3戦の内訳は逃げ切り勝ちが2度、先行抜け出しでの勝利が1度ある。圧巻は、その3戦で2着馬につけた着差だ。順に7+5+5馬身差なので、何と合計で「17馬身」という圧巻のパフォーマンスで連勝を飾っている。ルメール騎手の動向からも、ここは確勝級とみていいだろう。

 その実力はすでにG1レベルとまで言われており、もし先月のフェブラリーS(G1)に出走していれば、カフェファラオと好勝負になったのではと囁かれるほどだ。中山1800mも前走ですでに経験しており、不安があるとすれば出遅れた時くらいか。

 もう一つ課題を挙げれば、成長途上の馬体だろう。前走時の馬体重はダート馬としては小柄な部類に入る468kg。デビュー時が482kgだったので、引き締まってきたともとれるが、ダート戦線を戦っていく上では更なる成長は不可欠だろう。馬群で揉まれる厳しい競馬になったときに、脆さを露呈する可能性も考えておきたい。

 そのアメリカンシードと好勝負を演じる候補を挙げるとすれば、昨年の佐賀記念(G3)覇者ナムラカメタロー(牡5歳、栗東・稲垣幸雄厩舎)だろう。

 この馬もデビュー当初は芝を走っていたが、3歳夏にダート路線に転向。19年夏からの約8か月間で6戦5勝と破竹の勢いで交流重賞を制した。続く名古屋大賞典(G3)でも3着に入ったが、その後は一転、4戦連続馬券圏外とスランプに陥った。

 そんななか、迎えた前走・総武S(OP)では、11番人気ながら1年1か月ぶりの勝利を飾り、復調の兆しを見せた。アメリカンシードを前に見ながら、得意とする先行抜け出しの形で接戦に持ち込みたいところだ。

 ロードゴラッソ(牡6歳、栗東・藤岡健一厩舎)は、昨年の名古屋大賞典でナムラカメタローを破った実力馬。中央・地方問わず、大崩れしないタイプで、最後の直線では必ず脚を伸ばしてくる。ただ距離は2000m以上がベター。道中息が入る展開になれば差し切るシーンがあってもおかしくない。

 スワーヴアラミス(牡6歳、栗東・須貝尚介厩舎)は、昨年の本レースでクリンチャーとの競り合いを制し、重賞初制覇を飾った。その後は5着、5着、8着と期待を裏切っているが、2戦2勝と得意の中山に戻って連覇を狙う。

 このほかには、前走・東京大賞典(G1)でオメガパフュームと0秒1差の4着に好走したヒストリーメイカー(牡7歳、栗東・新谷功一厩舎)。前走・総武Sでナムラカメタローと3/4馬身差のメモリーコウ(牝6歳、栗東・松永幹夫厩舎)。末脚自慢の白毛馬ハヤヤッコ(牡5歳、美浦・国枝栄厩舎)などが出走を予定している。

 好素材アメリカンシードの今後を占う上でも重要となるこの一戦。あっさりダート4連勝を飾るのか、それとも他陣営に秘策はあるのか。発走は高松宮記念直前の15時30分を予定している。

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