JRA超新星アメリカンシード&C.ルメールに「地雷」の可能性!? マーチS(G3)大差の圧勝続きも「8年前」のあの馬の再現も
28日、中山競馬場では3月恒例のダートハンデ重賞、第28回マーチS(G3)が行われる。
今年、最も注目を集めているのが、ダートに替わって3戦3勝、つけた着差は7馬身、5馬身、5馬身というアメリカンシード(牡4歳、栗東・藤岡健一厩舎)だ。同日、中京競馬場では高松宮記念(G1)が行われるにもかかわらず、C.ルメール騎手を確保したということもあり、現在『netkeiba.com』の想定オッズでは1.4倍の断然人気に支持されている。
圧倒的なパフォーマンスで連勝中の上に、ルメール騎手を確保。今回ばかりはさすがにアメリカンシードで仕方がないと思われる人も多いかもしれないが、もちろん競馬に絶対は無い。
もしかすると同馬が「地雷」かもしれないという側面もしっかりと存在している。
今から8年前に行われた2013年のマーチS。2番人気だったグランドシチーが逃げるバーディバーディをゴール前でハナ差捕えて優勝。一方で、4連勝中で1番人気に支持されていたジョヴァンニは、特に見せ場を作ることもなく10着と敗れた。
今回のアメリカンシードは8年前のマーチSで1番人気に支持されながらも、2桁着順に大敗してしまったジョヴァンニと非常に良く似ているのだ。
デビューから4戦は芝で負け続きだったジョヴァンニは、初ダートとなったスーパー未勝利戦で後続に1.8秒差をつける大差で圧勝。そこからダートで4連勝し、マーチSは初の古馬重賞挑戦だった。
ダートの条件戦を圧倒的なパフォーマンスで連勝しながらも、初の重賞挑戦となった途端に脆い一面を見せ、大敗してしまう馬は意外と珍しくない。
最近ではベストタッチダウンが条件戦を3連勝した後、初の重賞挑戦となった昨年のアンタレスS(G3)で1番人気14着という大敗を喫したのは記憶に新しいところだ。そういった意味では、アメリカンシードはベストタッチダウンにも共通点があると言えるかもしれない。
「ダート戦は芝に比べると圧倒的にパワーが必要なので、基本的には馬体が完成され始めた4歳秋以降の古馬たちが有利です。多くの場合、馬体はオープンクラスの競走でキャリアを重ねることによって、徐々に完成されていくようなイメージ。
条件クラスを連勝したくらいでは、そういったオープンで揉まれてきた、百戦錬磨の古馬たちにいとも簡単に跳ね返されてしまうケースが珍しくありません。アメリカンシードはダートでまだキャリア3戦、すべて条件クラスです。前走468kgと馬格もダート馬にしてはあまりある方ではありません。今後成長してくるかもしれませんが、今回はまだ分が悪いという見方もできます」(競馬記者)
条件戦を連勝し、重賞の壁も突破したダート馬は最近だとインティがいる。同馬は連勝の勢いに乗りフェブラリーS(G1)まで制した。アメリカンシードは第2のインティになれるのか、ジョヴァンニの「後輩」となってしまうのか。マーチSでの走りには要注目だ。