JRA日経賞(G2)大本命カレンブーケドールに浮上する「不安」要素?
27日、中山競馬場で開催される日経賞(G2)。2019年の菊花賞(G1)勝利馬ワールドプレミアや、昨年のフローラS(G2)の勝利馬でオークス(G1)では2着を飾ったウインマリリンなどの有力馬が注目されている。
中でも26日現在『netkeiba.com』の予想オッズで、ダントツの単勝1倍台に想定されているのがカレンブーケドール (牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。
2019年のスイートピーS(L)以降勝ち星こそないものの、同年オークスでは12番人気ながら2着、その後も秋華賞(G1)、ジャパンC(G1)どちらも2着、昨年の京都記念(G2)、オールカマー(G2)でも2着するなど、シルバーコレクターとして名高い同馬。
それゆえ今回の日経賞にて1番人気の想定をされているのも頷けるが、安直にカレンブーケドールを馬券のアタマに据えるのはいささか早計かもしれない。
第一にシルバーコレクターとして名高い同馬が、未だ重賞で勝ちがないのは周知の事実だ。単純に考えても菊花賞馬ワールドプレミアやフローラS(G2)勝利馬ウインマリリンを差し置いた上での単勝オッズ1倍台想定は少々人気しすぎている印象を受ける。
また日経賞の歴史を振り返ると、ある事実が浮かび上がる。
なんと2001年から2020年まで、全て牡馬が勝利しているのだ。それどころか1953年の創設以降、牝馬が勝利しているのは3回のみ、しかもその3回は全て現在の中山2500mとは異なるコースで行なわれた。偶然なのか、日経賞に牝馬が勝つことのできない理由があるのかは不明だが、過去5年間の中山2500mの牝馬の勝率は牡馬よりも1.5倍近く高いことを踏まえると、なんとも不気味なデータである。
他にもカレンブーケドールのこれまでの2勝がどちらも距離が2000m未満のレースであり、これまで出走した2400m以上でのレース結果は(0-2-0-2)と、この馬にしては着外率が高いことも気になるところだ。
またディープインパクト産駒である同馬だが、過去10年のディープインパクト産駒成績をみると単勝率はまさかの0%、複勝率は15.3%と苦い結果となっていることも注目すべきだろう。
さらに追い打ちをかけるように、今回初騎乗となる松山弘平騎手についても気になる点がある。
今年はすでに中山競馬場の芝で3勝を挙げているものの、昨年度の同競馬場での芝コースの成績は34戦0勝。2016年から2020年までの過去5年のデータを見ても中山競馬場での勝率は6.3%と4大競馬場の中では最も低い数字となっており、松山騎手が中山競馬場を得意であるとはいえなさそうだ。
弥生賞(G2)でのダノンザキッド、金鯱賞(G2)でのデアリングタクト、そして先週阪神大賞典(G2)でのアリストテレス……、単勝1倍台の実力馬たちが軒並み陥落している3月の重賞。
カレンブーケドールは果たして悲願の重賞Vを勝ち取ることができるのか、楽観することなくレースを見たいものである。