JRA ワンツースリーは「三冠馬誕生」の予兆!? 毎日杯(G3)通算3度目となるディープインパクト産駒の独占、2年連続偉業の可能性も
27日、阪神競馬場で行われた毎日杯(G3)は川田将雅騎手の2番人気シャフリヤール(牡3、栗東・藤原英昭厩舎)が優勝。2着はC.ルメール騎手の1番人気グレートマジシャン、3着には藤岡佑介騎手の4番人気プログノーシスが入った。
シャフリヤールの勝ちタイムは芝1800mの日本レコードタイとなる1:43.9。吉田照哉氏が「アグネスタキオンの最高傑作」とも評価したほどのグランデッツァが5歳時の5月に出した記録に、2着グレートマジシャンと共に3歳春の時点で肩を並べるという衝撃的な時計だった。
そして3着にプログノーシスが入線したことにより、12年、20年に続く3度目のディープインパクト産駒における毎日杯1~3着独占となったのだが、その年のクラシック戦線に何が起こったのかを振り返ってみたい。
ヒストリカルが優勝した12年は2着マウントシャスタ、3着スピルバーグ。この3頭はクラシック三冠では残念ながら活躍出来なかったが、2月のきさらぎ賞(G3)でもディープインパクト産駒が1~3着独占しており、そのきさらぎ賞を勝ったワールドエースが皐月賞(G1)2着、別路線からディープブリランテが日本ダービー(G1)を制した。
この年の話題の中心は常にステイゴールド産駒の2冠馬ゴールドシップ。そして牝馬三冠のジェンティルドンナだった。
サトノインプレッサが優勝した20年は2着アルジャンナ、3着ダノンアレー。またしても3頭揃ってクラシック三冠は不発に終わったが、牡馬はコントレイル、牝馬はエピファネイア産駒のデアリングタクトが無敗のまま三冠馬となる。
両年とも毎日杯で上位独占した馬達にとっては寂しい成績ではあるが、別ルートを歩んだディープインパクト産駒から突出した能力を持つ馬が現れ、三冠馬となっているのは興味深い。ならば今年も別ルートを歩んだ産駒が三冠馬になって毎日杯組は不発に終わるのか。
ただ、少なくとも今年の毎日杯でワンツーを決めた2頭は「器が違う」という見方も出来る。シャフリヤールはグレートマジシャンに騎乗したルメール騎手をして「あの馬は化け物」と言わしめた。
ディープインパクト産駒ではないがデアリングタクトの例も新たに生まれ、ディープインパクト産駒が毎日杯1~3着独占の年の「三冠馬出現率」は2回で3頭、つまり150%となっている。
昨年に続く三冠馬誕生の予感を漂わせ、21年クラシックは幕を開ける。