JRA M.デムーロ「消しの法則」が発動!? グラティアスは買えてもアールドヴィーヴルは買えない理由、桜花賞(G1)、皐月賞(G1)で手綱を託された2頭の「決定的な違い」
4月18日、中山競馬場で行われる皐月賞(G1)に出走を予定しているグラティアス(牡3歳、美浦・加藤征弘厩舎)の鞍上が、M.デムーロ騎手となることがわかった。
グラティアスの鞍上には松山弘平騎手が予定されていたが、27日の日経賞(G2)に出走したカレンブーケドールに騎乗した際、2周目3コーナーで内側に斜行。同騎手は、4月10日から18日までの騎乗停止が決まっていた。
4月11日に行われる桜花賞(G1)のアールドヴィーヴルに引き続き、またもデムーロ騎手に巡ってきたチャンス。今年のクラシックは大いに期待が持てそうだ。
20日にはフラワーC(G3)のユーバーレーベン、21日にはスプリングS(G2)のランドオブリバティと有力馬の鞍上に予定されていたが、7日の中山競馬で騎乗停止処分を受け、騎乗することができなかったデムーロ騎手。冒頭のグラティアス、アールドヴィーヴル以外にも、4月25日のフローラS(G2)ではフラワーCで騎乗できなかったユーバーレーベンに再び騎乗することが決定しており、運も上向いてきたといえるだろう。
そんなデムーロ騎手だが、今年は目覚ましい成績を残している。
ここまで101回の騎乗に対し、勝率14.9%、複勝率40.6%で、成績は【15-13-13-60/101】。単勝回収率129%、複勝回収率127%と、ファンとしてはデムーロ騎手を全部買っているだけでプラス収支となるだけに、アールドヴィーヴル、グラティアスも当然「買い」と言いたいところだが、同じデムーロ騎手でもアールドヴィーヴルとグラティアスでは大きく明暗が分かれるかもしれない。
それは、デムーロ騎手の成績が美浦所属馬と栗東所属馬で大きく異なるからだ。
美浦所属馬での成績が【14-10-10-38/72】で、勝率19.4%、複勝率47.2%、回収率にしても単勝174%、複勝156%と好調なのに対し、栗東所属馬での成績は【1-3-3-22/29】で、勝率3.4%、複勝率24.1%、回収率は単勝17%、複勝53%と期待値が100%を大きく下回るのである。
つまり、この法則でいくと、美浦・加藤征厩舎所属のグラティアスは「買い」、栗東・今野厩舎のアールドヴィーヴルは「買えない」という判断になるのかもしれない。
とはいえ、今年の重賞では【0-1-1-9/11】で複勝率18.2%、複勝回収率32%と、東西問わず好調とは言い難い。さらに栗東所属馬となると【0-0-1-6/7】で複勝率14.3%、複勝回収率は27%と散々な成績だ。
2017年には重賞で18勝と大暴れしていたデムーロ騎手に、今年の春はいつやってくるのだろうか……。これらのチャンスをものにし、かつてのデムーロ騎手が戻ってくることに期待したい。