JRA 頼りのC.ルメールは「13連敗」の絶不調、ヴィクトリアマイル(G1)牝馬相手でもグランアレグリアが絶対女王でいられない理由
王位復権となるのか……。
4日、大阪杯(G1)で4着に敗れたグランアレグリア(牝5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が、次走として5月16日のヴィクトリアマイル(G1)を予定していることがわかった。
昨年は初戦となった高松宮記念(G1)で2着と敗れたが、その後は安田記念(G1)、スプリンターズS(G1)、マイルCS(G1)とマイルG1を中心に3連勝。ヴィクトリアマイルにも出走予定であったが、熱発により帰厩が予定よりも遅れて回避している。
しかし、その後は同舞台の安田記念でアーモンドアイを撃破。ヴィクトリアマイルも、出走していれば勝利の可能性は十分にあったはずだ。
ただ、昨年の5月といえばC.ルメール騎手も絶好調だった。
天皇賞・春(G1)をフィエールマンで勝利すると、ヴィクトリアマイルもアーモンドアイで制覇するなど1カ月で20勝。今年も1月に重賞で3勝を挙げると、2月にはフェブラリーS(G1)で早々にG1制覇を成し遂げたように、ここまでは順調だった。
しかし、その後は重賞で13連敗と不調で、4月も半分を過ぎたが未だ5勝と精彩を欠く現状だ。ただでさえジョッキーがスランプ気味なことに加え、ヴィクトリアマイルでは待ち構える4歳勢の包囲網もなかなか強力なのだ。
休み明けとなった昨年のマイルCS(G1)では8着と敗れたが、続く阪急杯(G3)ではレコード勝ちを収めたレシステンシア。高松宮記念でも、16番とかなり外目の枠を引きながら2着と健闘したように短距離でのポテンシャルはトップクラス。同レース3着のインディチャンプは、昨年のマイルCSでグランアレグリアと3/4差の接戦を演じた馬。復調気配のレシステンシアとインディチャンプとの力関係からは、グランアレグリアへの逆転も秘めているといえるのではないだろうか。
また、阪神牝馬S(G2)を勝利したデゼル、それにクビ差まで迫ったマジックキャッスルもいる。
オークスでは、デアリングタクトに次ぐ2番人気に支持されたデゼル。中2週で2度の長距離輸送がたたり惨敗を喫したが、馬体重を大きく減らしていたことからも状態が万全でなかった可能性は高い。ここにきて2連勝と本来の姿を取り戻した今、侮れない1頭だろう。
マジックキャッスルにしても、秋華賞(G1)でデアリングタクトに2着と迫った実力馬。デアリングタクトが昨年のジャパンC(G1)でコントレイルと差のないレースをしたように、大阪杯でコントレイルに負かされたグランアレグリアを破っても驚けない。
これらに加え、前走のダービー卿チャレンジT(G3)を勝利したテルツェットも同じ4歳世代。現在4連勝中と勢いもあるだけに怖い存在だ。
前走、グランアレグリアが敗れた大阪杯も、勝利したのは4歳のレイパパレ。ヴィクトリアマイルでは、強い4歳牝馬に再び返り討ちに遭う可能性もあるのかもしれない。
(文=北野なるはや)
<著者プロフィール>
某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。