JRA「令和のナイスネイチャ」9戦目でついに記録途絶える!? 一方、新たなシルバーコレクター誕生も
24日、新潟競馬場では福島牝馬S(G3)が行われ、ディアンドルが優勝。約2年ぶりの勝利を飾り、ヴィクトリアマイル(G1)への優先出走権を獲得した。
その2つ前の9Rでは、ダート1800mを舞台に4歳上1勝クラスの条件戦が行われた。勝ったのは川田将雅騎手騎乗のトラモントで、単勝オッズ1.5倍の1番人気に見事応えた。そして1.1/4馬身差の2着に飛び込んだのが2番人気のレッドレビン(牡4歳、栗東・昆貢厩舎)だった。
終わってみれば、1~2着は人気通りの決着となったが、レッドレビンの“奮闘”によって、ある珍記録が終わりを迎えてしまった。それが連続3着記録である。
レッドレビンは、昨年11月の1勝クラスで2着して以降、約4か月間で8戦し、全て3着という“偉業”を達成。この日の出走が決まった段階から、ファンの間では「9戦連続3着はあるか」などと話題に上っていた。
「この日のレッドレビンの単勝オッズは最終的に3.1倍でした。3番人気のウインジョイフルが13.6倍だったので、確率論からすれば、レッドレビンは2着の可能性が高かったわけです。
『勝ってほしいけど、3着の連続記録も伸ばしてほしい』という複雑なファンの思いもむなしく、結果は2着。ただ、連続3着の記録が途切れたことで、次は心の底から勝利を願うことができるはずです(笑)」(競馬誌ライター)
そのブロンズコレクターぶりから、有馬記念で3年連続3着を達成した名馬になぞって、巷では「令和のナイスネイチャ」と呼ばれたとか……。この珍記録が終わりを迎えたことは、大手ポータルサイトの『netkeiba.com』の公式Twitterも取り上げており、そういう声も聞かれなくなりそうだ。
一方で、この日の新潟では同じような連続記録に注目が集まった馬がいた。
それが、同じダート1800mの2R未勝利戦に登場したメイショウキリモン(牡3歳、栗東・荒川義之厩舎)である。
昨年9月の新馬戦でデビューし、4着に敗れた後、10月から今月にかけての約半年間で7戦し、全て2着という結果を残していた。7戦中5戦で1番人気に支持され、この日も単勝オッズ1.9倍という断然人気。待望の初勝利が期待されたが、シーニッククルーズに逃げ切りを許し、結果は8戦連続の2着。初勝利はまたもお預けとなった。
こちらは連続2着なので、例えるなら、「令和のステイゴールド」、もしくは「令和のシーキングザダイヤ」といったところだろうか。
「未勝利ながら、すでに2000万円近い賞金を稼いでいます。ある意味では馬主孝行ですが、まず勝ち上がらないことには引退、もしくは地方への転厩という現実が待っています。そろそろ連続2着記録を止めてもらいたいですね」(同)
記録を止めたレッドレビンと、記録を伸ばしたメイショウキリモン。どちらも次は先頭でゴールを迎えたい。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。