JRA 田原成貴に導かれたマヤノトップガンが乾坤一擲の大逆転! 天皇賞・春(G1)横山典弘、武豊相手に一世一代の勝負を仕掛けた撃墜王の伝説

 サクラローレルがこのまま押し切るかと思われたところを大外から一気に交わし去ったのが、普通の馬ならまずは届かないと思えるような位置から驚異的な末脚を繰り出したマヤノトップガンだった。

 これまで手にした菊花賞(G1)、有馬記念(G1)、宝塚記念(G1)は、いずれも積極策が功を奏した快勝劇。マヤノトップガン陣営が前々での競馬に拘ったのは自然な流れでもある。

 一転して追い込む競馬に活路を見出した田原騎手と坂口正大調教師との間で見解が分かれたともいう。だが、サクラローレル相手にどうやったら勝てるのか。試行錯誤を繰り返し、己の信念を貫き通した田原騎手の大胆な発想が実を結んだ瞬間でもあった。

 勝ちタイムの3分14秒4はそれまでのレコードである93年ライスシャワーの3分17秒1を2秒7も更新した。死力を尽くした3頭の激闘がもたらしたスーパーレコードだったといっても過言ではないだろう。

 だが、乾坤一擲の大勝負を勝った代償もまた大きかったのかもしれない。秋の復帰を目前に屈腱炎を発症したマヤノトップガンはこのレースを最後に現役生活から引退が決定し、ターフを去ることになった。

 あれから24年、今年の天皇賞・春は我々にどのようなドラマを見せてくれるだろうか。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

 

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