JRA 武豊、天皇賞・春(G1)参戦! キタサンブラックで2連覇、キズナで2連敗……平成の盾男と「26戦8勝」の歴史

 そんな状況を吹き飛ばしたのが、2006年のディープインパクトだ。無敗の三冠馬であり、単勝1.1倍という圧倒的な支持を集めた同馬に騎乗し、見事レコードタイムで勝利。その強さに誰もが酔いしれた。

 2007年は騎乗がなく、2008年はメイショウサムソンに騎乗するも2着惜敗。2009年はモンテクリスエスで3着、2010年は落馬で骨折し予定していたフォゲッタブルに騎乗できず。2011年は2番人気ローズキングダムに騎乗するも11着に大敗。2012年はウインバリアシオンで3着、2013年はトーセンラーに騎乗するもフェノーメノの2着に惜敗。そして2014年と2015年はキズナに騎乗してともに1番人気に支持されたが、2014年はフェノーメノ、2015年はゴールドシップを相手に敗退している。

 2006年のディープインパクトを最後に勝利がなかったこともあり、世代交代の影がちらついていたが、そんな不安を払拭したのがキタサンブラックとの2連覇だ。

 2016年はカレンミロティックとの激戦を制しハナ差で勝利、2017年は圧倒的な強さを見せてレコードタイムで完勝。負かした相手もサトノダイヤモンド、シュヴァルグラン、ディーマジェスティ、ゴールドアクター、ワンアンドオンリー、レインボーラインといった実力馬がズラリ。現役最強の座を確固たるものとした。

 2018年は騎乗停止でクリンチャーに騎乗できず、2019年は香港遠征のため騎乗できなかった。久々の参戦となった2020年は癖馬キセキと初コンビ。名手への乗り替わりは話題となり、3番人気に支持されるも6着に敗退している。

 以上のように、これまで26回騎乗して8勝2着6回3着4回。勝率30.7%、連対率53.8%、複勝率69.2%という圧倒的な成績となっている。

 ただし傾向もはっきりしており、3着以内の好走は最初の4番人気イナリワンを除きすべて3番人気以内。今回騎乗するディバインフォースは2勝クラスを勝ち上がっただけの格下馬で、人気薄が濃厚。さすがの武豊騎手といえど、同馬で上位に好走するのは至難の業だろう。それでも何かやってのけるかもしれない。多くのファンはそんな期待を抱いている。

 この天皇賞・春で武豊騎手がアリストテレスやワールドプレミア、ディープボンドなどを相手にどんな騎乗を見せるか、その一挙手一投足から目が離せない。


■武豊騎手・天皇賞・春成績

1989年 1着 イナリワン
1990年 1着 スーパークリーク
1991年 1着 メジロマックイーン
1992年 1着 メジロマックイーン
1993年 2着 メジロマックイーン
1994年 2着 ナリタタイシン
1995年 3着 ハギノリアルキング
1996年 16着 カミノマジック
1997年 3着 マーベラスサンデー
1999年 1着 スペシャルウィーク
2000年 2着 ラスカルスズカ
2002年 2着 ジャングルポケット
2003年 3着 ダイタクバートラム
2004年 13着 リンカーン
2005年 11着 アドマイヤグルーヴ
2006年 1着 ディープインパクト
2008年 2着 メイショウサムソン
2009年 12着 モンテクリスエス
2011年 11着 ローズキングダム
2012年 3着 ウインバリアシオン
2013年 2着 トーセンラー
2014年 4着 キズナ
2015年 7着 キズナ
2016年 1着 キタサンブラック
2017年 1着 キタサンブラック
2020年 6着 キセキ

【8,6,4,8】勝率30.7% 連対率53.8% 複勝率69.2%

関連記事

競馬最新記事

人気記事ランキング 11:30更新

競馬

総合

重賞レース特集
GJ編集部イチオシ記事
SNS