エアスピネルと武豊騎手が京都金杯(G3)で今年初笑い!”自分探しの旅”を終えた世代屈指の大器が、主役不在のマイル界に「新王者」として大きく名乗り!
レース後、武豊騎手はそう注文を付けたが、その表情は笑顔だった。写真判定の結果、エアスピネルがハナ差しのいで、重賞2勝目を挙げたのだ。
「久しぶりにこの馬で勝てて、すごくうれしいです。この距離の方が乗りやすいし、今年、この馬に懸けるところは大きい」
勝利騎手インタビューで武豊騎手がエアスピネルへの期待を隠さなかったように、本馬の素質を鑑みれば、この勝利は本当に大きな意味を持っている。
秋華賞馬の仔として2歳時から「G1級」の評価を得ていたものの、1番人気で挑んだ朝日杯フューチュリティS(G1)で2着に敗れてからは本当に険しい道のりの連続だった。
昨年の弥生賞(G2)で3着に敗れた際は武豊騎手が「不思議な感覚。普通なら勝てるレベル」と生まれた時代が悪かったと嘆き、その後も善戦はするもののなかなか勝ち切れず……それも賞金を加算できる2着以内を外していたため、今年に至ってはG1再挑戦に向け賞金面での不安さえあった。
それだけに、本当に大きなハナ差といえる。
そして何よりも、陣営が「今後はまだ決まっていない」と述べていた中で「マイル」を勝ち切れたことは、今後の指針を決める上で大きな要素となることは間違いないだろう。競馬には「一年の計は金杯にあり」という使い古された格言があるが、エアスピネルにとってはまさにその通りの意味を持つレースだった。