JRA 天皇賞・春(G1)では8着入線も……かつてのライバル達は産駒が次々デビュー。2016年ダービー馬マカヒキに「いつまで走らせるのか」の声
2日、27年ぶりに阪神競馬場で開催された、第163回天皇賞・春(G1)。
3番人気の支持を受けたワールドプレミアが、直線早めに抜け出すカレンブーケドール、1番人気ディープボンドを外から豪快に差し切って優勝。2019年菊花賞(G1)以来のG1・2勝目を挙げた。
今年の天皇賞・春はG1馬が2頭しか出走しておらず、メンバー構成やレースレベルに疑問の声が聞かれたりしていた。しかし、その2頭のうちの1頭であったワールドプレミアがG1馬の貫禄を見せつける勝利を収めたことで、格式高い天皇賞に一応の格好を付ける形となった。
一方、もう1頭のG1ホースであり、春の天皇賞は8着に終わったマカヒキ(牡8歳、栗東、友道康夫厩舎)には、ネット上で「いつまで走らせるのか」といった声も挙がっている。
今年で8歳となったマカヒキは、いわずもがな2016年のダービー馬だ。日本ダービー(G1)優勝後はフランスへ渡り、凱旋門賞(G1)の前哨戦であるニエル賞(G2)でも1着。凱旋門賞で大きく敗れはしたものの、世界の強豪馬を相手に堂々の1番人気での挑戦だった。
翌年、4歳となったマカヒキはR.ムーア騎手を背に、満を持して京都記念(G2)で復帰したが、単勝オッズ1.7倍の断トツの支持に応えられず、まさかの3着。1着となったサトノクラウンは後の宝塚記念(G1)を勝利する強豪馬であるだけに仕方ないにしても、7歳だった牝馬スマートレイアーにまで後れを取ってしまう姿は、前年のダービー馬であることを考えるとやや不甲斐ないものもあった。
以降、マカヒキは3歳時の輝きを取り戻すことなく、現在にまで至っている。凱旋門賞以降は先週の春の天皇賞まで16回出走し16連敗。最高着順は5歳時に出走した札幌記念(G2)の2着であり、ニエル賞以降の唯一の連対でもある。
3歳時にしのぎを削ったライバルは、既に種牡馬入りをしている馬も多い。マカヒキを破って皐月賞馬に輝いたディーマジェスティは、今年産駒がJRAデビューする。また、ダービーでハナ差の死闘を演じたサトノダイヤモンドも、来年産駒がデビューする予定だ。
弥生賞(G2)でマカヒキの2着に入ったリオンディーズに至っては既に産駒がデビューしており、代表産駒でもあるピンクカメハメハは現在オープン馬である。もしかしたら近い将来、マカヒキと一緒に走ることもあり得るかもしれない。
「同期の産駒が次々とデビューする中、その年のダービーを勝った馬が未だ現役で走り続けている姿を見れば、ファンから『一体、いつまで走らせるんだ』とった声が出ても不思議ではないでしょう。もちろん、いつまで走らせるのかはオーナーの自由ですが、かつてのダービー馬が惨敗を繰り返す姿には、『悲しい』といった声もチラホラ聞かれます」(競馬記者)
ちなみにマカヒキは天皇賞で8着に入り、賞金900万円以上を獲得している。現役生活はもうしばらく続くかもしれない。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。