JRA 日本ダービー(G1)「新パートナー」横山典弘に賛否両論の声!? エフフォーリアVSレッドジェネシス、三男・武史との「ダービー親子対決」の行方

 先週の京都新聞杯(G2)を見事な末脚で勝利し、日本ダービー(G1)へ駒を進めることが予定されているレッドジェネシス(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)。

 ここ5戦で手綱を執っていた川田将雅騎手はダノンザキッドに騎乗することが濃厚となっており、新たに横山典弘騎手とコンビを結成してダービーに挑むことが先日、東京サラブレッドクラブのホームページで発表された。

 管理する友道調教師は「後ろで我慢して、直線で伸びてくるスタイルに横山典騎手は合っていると思う」とコメント。昨年も同騎手とのコンビでマイラプソディをダービーに出走させており、2年連続で管理馬の手綱をベテランに託した格好だ。

 横山典騎手は2009年にロジユニヴァース、14年はワンアンドオンリーで既にダービーを2勝。また古くは1990年にメジロライアンで2着、2000年代以降もゼンノロブロイやハーツクライで2着に入っており、ダービーは相性が良いレースであると言えるだろう。

 ダービー制覇に向けて、頼りになるパートナーを手に入れたと思われるレッドジェネシス。ネット上の掲示板などでは、「ダービージョッキーなので期待しています」「ワンアンドオンリーで勝ったときのような積極的な騎乗を見せて欲しい」といった、ベテランの手腕に期待を寄せる声が多く見られている。

 だが一方で、「最近のノリさんは正直……」「またポツンではないか」という、あまり歓迎ではないと思われるコメントもやや見られた。

 横山典騎手は今年12勝を挙げているが、芝のレースに関しては、今月1日に1勝を挙げるまで4ヶ月間未勝利であった。芝レースは今年まだ2勝であり、例年よりも苦戦している。

 また、4月に行われた桜花賞(G1)では、負傷した武豊騎手に代わりメイケイエールの手綱を託されたが、3コーナーで暴走気味に先頭に立つと、直線失速し最下位に……。今回のレッドジェネシスもメイケイエールと同じくG1でテン乗りとなるなど、桜花賞の大敗を見ると不安の声が上がるのも致し方ないのかもしれない。

横山武史騎手 撮影:Ruriko.I

 しかし、今年のダービーは横山典騎手にとって、特別な思いもあるだろう。1番人気に支持されることが濃厚である皐月賞馬エフフォーリアの鞍上は、横山典騎手の三男・横山武史騎手だ。

 自身はアンタレスS(G3)に騎乗したため、横山武騎手の初G1制覇となった皐月賞(G1)を阪神競馬場で見届けた横山典騎手。「嬉しいに尽きる。今日は手放しでおめでとう」と話し、父親の顔に戻っていたという。だが、今回は横山武騎手の2冠を阻む立場へと回ることになる。

 息子のダービー制覇を期待する一方、百戦錬磨の大ベテランであるだけに、自身も有力馬に騎乗するからには虎視眈々と一発を狙っていることであろう。武史騎手のダービー初制覇か、典弘騎手のダービー3勝目か、それとも……結果は神のみぞ知るところである。

 果たして、今年はどのようなドラマが生まれることになるのか。発走まであと2週間、楽しみに待ちたい。(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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