JRA 福永祐一「大出遅れ」&みんなのKEIBA「名前間違い」の屈辱……ヴィクトリアマイル(G1)リアアメリア背水の陣も「アメリカ呼ばわり」でズッコケ終戦

撮影:Ruriko.I

 16日、東京競馬場で行われたヴィクトリアマイル(G1)は、1番人気のグランアレグリア(牝5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が4馬身差で圧勝。通算5勝目のG1制覇を成し遂げ、最強マイラーの座を改めて証明して見せた。

 その一方、踏んだり蹴ったりの不完全燃焼に終わってしまったのが、重賞2勝馬のリアアメリア(牝4歳、栗東・中内田充正厩舎)だ。

 2歳時には「クラシック候補」と評された大器にとって、この日のヴィクトリアマイルは、まさに復活を懸けた背水の陣で挑んだ一戦だった。

 昨年のローズS(G2)勝利以来、人気になっては惨敗する不甲斐ないレースが続いていたが、すべて右回り。実績のある左回りでアルテミスS(G3)を勝った東京マイルであれば、好走を期待したファンも少なくなかったに違いない。

 眠れる大器の復活に懸ける気持ちは当然、陣営も同じだ。栗東の坂路で行われた最終追い切りでは、自己ベストを大幅に更新するタイムを叩き出すなど、春の大一番へメイチの仕上げだった。

 しかし、そんな陣営やファンの願い、そしてリアアメリアのヴィクトリアマイルは、スタートコンマ1秒でほぼ潰えてしまった。

「スタートを上手く出られませんでした……」

 レース後、鞍上の福永祐一騎手がそう振り返った通り、発馬で後手を踏んでしまったリアアメリアは、ダッシュもつかずにほぼ最後方からの競馬。最後の直線で上がり3ハロン33.2秒と持ち前の末脚を繰り出したものの13着と、まったく見せ場を作ることができなかった。

「陣営にとってもショックの大きい敗戦だと思います。近走は不甲斐ない結果でしたが、陣営は右回りだったことに敗因を求めていましたし、実績のある左回りでアルテミスSを勝った東京マイルですから、今回は言い訳できない舞台でした。

出遅れは痛かったですが、福永騎手のリカバリーは良かったと思います。最終コーナーでも内を突いて、馬場の良いインを鋭く伸びた時は一瞬、上位進出もあり得ると思ったのですが、そこから苦しくなって外にもたれての終戦……馬が自分で競馬をやめてしまっているようにも映るだけに、状況は深刻だと思いますね。

デビュー戦とアルテミスSを連勝した頃は、阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)でも1番人気に支持されたように『クラシックの候補』との呼び声も高かったですが、お母さんのリアアントニアが米国の2歳女王だっただけに、もしかしたら早熟馬だったのかもしれませんね」(競馬記者)

 そんなリアアメリアだが、この日の中継を行った『みんなのKEIBA』(フジテレビ系)では、レース実況を担当した谷岡慎一アナに「リアアメリ『カ』」と言い間違えられる始末……。

 メイチの調整で復活を期した大器にとっては、まさに踏んだり蹴ったりの結果となってしまったようだ。

「お母さんが米国で活躍した馬ということもあって、デビュー当初からよくリアアメリ『カ』と間違えて覚えられることも珍しくなかったとか……。今でもリアアメリカだと思っているファンも少なくないでしょうね」(競馬誌ライター)

 実際にTwitterで検索してみると、レース直後からリアアメリアが「リアアメリカ」と呼び間違えられたことが話題になっていた。だが、さらにタイムラインを遡ると、事前の予想や声援のツイートにも「リアアメリカ」という表記が続々……。

 悲願のG1制覇を目指すリアアメリアにとって今回は出直しのレースになってしまったが、まずはファンに正確な名前を覚えてもらうためにも、どこかのレースで大きく勝ち名乗りを挙げておきたいところだ。(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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