JRA 武豊「東京2400m大歓迎」とクールキャット絶賛! オークス(G1)近親に「名ステイヤー」メジロマックイーンの血統は、あのG1・6勝馬にも重なるか

 23日、東京競馬場で行われる樫の女王決定戦、第82回オークス(G1)。

 前走、フローラS(G2)で新馬戦以来となる2勝目を挙げ、オークスの優先出走権を獲得したクールキャット(牝3歳、美浦・奥村武厩舎)。手綱を執ったC.ルメール騎手は今回、アカイトリノムスメに騎乗予定のため、武豊騎手と新たにコンビを結成して本番へと臨む。

 19日に美浦で行われた最終追い切りは、栗東から駆けつけた武豊騎手を背に、ウッドチップコースを抜群の手応えで駆け抜けた。騎乗した武豊騎手が、「いい動きだった。状態も良さそう。血統的にも距離が伸びるのは大歓迎でしょう」とコメントしたことからも、デキは間違いなく前走以上であると言えそうだ。

 武豊騎手が「血統的に距離が延びて歓迎」と話すのは、クールキャットの母系が長距離でおなじみのメジロの血統であるからだろう。母メジロトンキニーズは現役時代に34戦3勝だが、そのうちの1勝は今回のオークスと同じ東京2400mで挙げられたものである。また、東京3400mで行われた長距離重賞、ダイヤモンドS(G3)でも2着に入っている。

「クールキャットの4代母であるメジロアイリスは、天皇賞・春(G1)を連覇した名ステイヤー・メジロマックイーンの2代母でもあります。つまり、クールキャットはメジロマックイーンの遠い親戚にあたるということになり、ステイヤーの血が入っています。

メジロマックイーンの主戦を武豊騎手が務めていたのは衆知の通り。この牝系の長距離適性をもっともよく知る武豊騎手だからこそ、『距離が延びるのは大歓迎』というコメントが出たのかもしれません」(競馬誌ライター)

 管理する奥村武調教師も、「母のメジロトンキニーズは東京2400mで良い競馬をしているし、距離はドンと来い」と話し、「デビュー前から東京の2400mが一番合うと思っていた」と太鼓判を押している。

 まさにオークスは絶好の舞台となりそうなクールキャットだが、今後はさらなる“大化け”をする可能性も秘めているかもしれない。

 クールキャットは父スクリーンヒーローに母メジロトンキニーズという、いわばスクリーンヒーロー×メジロ牝系という血統構成になるが、同じくスクリーンヒーローにメジロ牝系といえば、2015年の年度代表馬であるモーリスがいる。

 新馬戦をレコードで勝利し、2歳時には2勝を挙げたモーリス。だがその後はややスランプに陥り、3歳時は春に4戦して未勝利。そのまま休養に入り、年内の競走を終えていた。

 だがその後、吉田直弘厩舎から堀宣行厩舎に転厩したモーリスは、4歳初戦となった若潮賞(当時1000万下)を快勝すると、そこからG1・3勝を含む破竹の7連勝。見事に年度代表馬に輝いた。翌年は香港のチャンピオンズマイル(G1)を快勝すると、前年と同じくG1・3勝を挙げて特別賞を受賞している。

 モーリスと同じ“スクリーンヒーロー×メジロ牝系”の血統構成であるクールキャット。今月1日に右足の甲の骨折から復帰した武豊騎手も、そろそろG1で結果を出したいところ。今週末、クールキャット×武豊騎手の走りには注目しておきたい。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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