JRA 武豊ディープモンスターに求められるのは実力より運!? 「最も運のある馬が勝つ」日本ダービー(G1)「馬券圏内」の9割に当てはまった勝利への条件
30日、東京競馬場で行われる日本ダービー(G1)に、ディープモンスター(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)が出走を予定している。
戸崎圭太騎手とコンビを組んだ皐月賞(G1)で7着に敗れたディープモンスター。今回は主戦を務める武豊騎手に手綱が戻り、盤石の態勢で最高峰の舞台に向かう。
馬名の通り父はディープインパクトで、同父の産駒はこれまで歴代最多タイの6勝をマーク。2018年のワグネリアン、 2019年のロジャーバローズ、2020年のコントレイルと3年連続で日本ダービーを制している。
ディープインパクト産駒が6頭出走するのは2016年以来5年ぶりとなるが、その16年は1着マカヒキ、2着サトノダイヤモンド、3着ディーマジェスティと同産駒が上位を独占。今年のダービーを勝てば史上初の日本ダービー4連覇に加え、サンデーサイレンスを抜いて7勝と単独トップに立つ。
そんな偉大な父ディープインパクトの主戦も務めた武豊騎手は、日本ダービー歴代最多となる5勝をマーク。ディープインパクトを筆頭に、これまでスペシャルウィーク、アドマイヤベガ、タニノギムレット、キズナで勝利を収めている。
そして、この勝利を収めた5頭に共通するのが、3枠以内に入っていたということだ。
■武豊騎手の日本ダービー枠順成績
1枠【2-1-1-4/8】25.0% 37.5% 50.0%
2枠【1-1-1-0/3】33.3% 66.7% 100.0%
3枠【2-0-0-4/6】33.3% 33.3% 33.3%
4枠【0-0-0-1/1】 0.0% 0.0% 0.0%
5枠【0-0-0-1/1】 0.0% 0.0% 0.0%
6枠【0-1-0-2/3】 0.0% 33.3% 33.3%
7枠【0-0-0-4/4】 0.0% 0.0% 0.0%
8枠【0-0-0-5/5】 0.0% 0.0% 0.0%
「武豊騎手に限らず、日本ダービーは内枠有利が定説となっているのは確かです。ただ、武豊騎手に関しては好走の殆どが内枠ですし、その傾向が極端に出ていますよね。福永祐一騎手が騎乗した2018年のワグネリアンは8枠から勝利を収めていますし、馬によっては外枠が有利に働くこともあるかもしれません。ただ、武豊騎手にしたらやっぱり内枠がほしいと思いますよ」(競馬記者)
今回が32回目のダービー騎乗となる武豊騎手だが、勝利したのは全て3枠以内。馬券圏内の好走を見せたのは全部で10回あるが、1着も含め9回が該当していた。
ダービー週よりCコースに替わる東京競馬場の芝レース。記者も話すように「内枠有利が定説」ではあるが、武豊騎手にとっては勝利への「絶対条件」といえる最大のポイントとなりそうだ。
昔から「最も運のある馬が勝つ」といわれる日本ダービー。これはフルゲートの頭数が今より多かった時代の格言だと思われている感も強いが、枠順という要素を考えれば決して死語ではないのかもしれない。
8年ぶり、6回目の日本ダービー制覇に臨む武豊騎手。まずは、ディープモンスターの枠順に注目したいところだ。
(文=北野なるはや)
<著者プロフィール>
某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。