新垣結衣「逃げ恥サイン」はまさかの1週遅れ!? 日本ダービー(G1)シャフリヤールVSエフフォーリア激戦の裏で、屈辱のオークスから吉田隼人&須貝尚介コンビが実力を証明
無敗の皐月賞馬エフフォーリアの二冠達成なるかに、大きな注目が集まった今年の日本ダービー(G1)は、福永祐一騎手の4番人気シャフリヤールが優勝。エフフォーリアとゴール前のデッドヒートを制し、7398頭の頂点に立った。
福永騎手は、昨年のコントレイルに続いてのダービー連覇。あれだけ獲れなかった“悲願のタイトル”を近4年で3勝の“乱獲”には恐れ入る。2着に敗れたエフフォーリアは、自身が騎乗した2013年のダービーでキズナの2着に敗れたのがエピファネイアの仔だった。
あれから8年、今度はキズナと同じディープインパクト産駒のシャフリヤールでエピファネイア産駒のエフフォーリアの戴冠を阻むこととなった。
そんな激戦を繰り広げた2頭から1馬身1/4後れて3着に入ったのが、吉田隼人騎手のステラヴェローチェ(牡3、栗東・須貝尚介厩舎)だ。
同馬は昨年の朝日杯FS(G1)で2着に好走した実力馬である。前走の皐月賞(G1)は、6番人気で3着に好走していたにもかかわらず、ダービーは9番人気の低評価。伏兵の下馬評を覆し、改めてその実力をアピールした。
ステラヴェローチェの主戦・吉田隼騎手、須貝厩舎のコンビは、無敗二冠を目指したオークス(G1)で8着に完敗したソダシと同じ。
このとき、ネットやSNSで話題を集めたのが、新垣結衣さんと星野源さんの“逃げ恥婚”。6枠11番に入ったソダシと、新垣結衣さんの誕生日6月11日が偶然にも一致していたことで、一部の「サイン馬券派」からは、ソダシの二冠が確実ではないかと噂されていたことは記憶に新しい。
残念ながらソダシはオークスで8着に敗れてしまい、サイン的中とはならなかった。
だが、1週間後のダービーでステラヴェローチェが引いたのは、偶然にもソダシと同じ6枠11番。引き続きサインを信じたファンにとっては、結果的に1週遅れのプレゼントとなった。
その一方で、皐月賞に続いてダービーでも3着に入ったステラヴェローチェの前途は洋々といえるかもしれない。
「展開次第でダービー馬になるチャンスのあった馬です。ゲートが上手ではありませんが今後そのあたりも良くなる余地があります」
吉田隼騎手は潜在能力の高さをダービー馬になるチャンスがあったと評価。一瞬の切れ味勝負が決して得意とはいえないバゴ産駒がシャフリヤール、エフフォーリアと同じ上がり3ハロン33秒4の最速をマークした。
レース前には突然の通り雨もあったこの日の東京競馬場。もし、これが通り雨ではなく馬場が悪化していたら……。いずれにしても、秋の逆襲を楽しみに待ちたくなるダービーの走りだった。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。