JRA ケイデンスコール「大激走」にファンはぬか喜び!? 安田記念(G1)川田将雅ダノンキングリー感動戴冠の裏で……、大本命グランアレグリア「ノーマーク」が招いた大誤算
最後の直線入り口で「1番人気のグランアレグリア、クリストフ・ルメール前は壁になる!外に持ち出せるか」と叫ぶと、続いて前を行く先行勢の説明。もう一度「グランアレグリア間隙を縫えるかどうか」と、触れたの最後にグランアレグリアを全くのノーマーク扱いに……。
進路取りに苦しむ大本命馬より、先頭の行方が気になったのは無理もない。
「先頭まだわからない!8番のインディチャンプか8番のインディチャンプか!最内なんと武豊カデナかカデナか!」
インを突いた武豊騎手のカデナに気付く余裕がありながらも、後方から物凄い勢いで追い込んでくるグランアレグリアの存在には、気づくことが出来なかった。レース実況はリアルタイムで伝える必要があるため、余裕がなくなってしまうのは分かる。
だが、最後の最後で“致命的な失態”を犯してしまった。
なんと、ゴール前で差して来た13番“シュネルマイスター”と“ケイデンスコール”を誤って実況。さらには“放置” したグランアレグリアが先頭に立つ勢いで巻き返していることに、まったく触れることがなかったのである。
ゴール前で「ダノンキングリー!ダノンキングリー!川田将雅ようやく手にした王冠、その名に恥じない一等賞ダノンキングリーだ」と、激戦の中で勝ち馬を瞬時に判断したのはお見事だったが、3着馬と画面に映っていない10着馬を間違えたのは大誤算だった。
グランアレグリア、シュネルマイスター、ケイデンスコールと、サンデーレーシングの所属馬3頭が同じレースに出走していたこともあり、非常に難しい判断には違いない。
しかし、この実況により、ケイデンスコール絡みで的中したと思った馬券が、実はハズレだったというぬか喜びに終わったファンも、少なからずいたようだ。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。