JRAまさに“呪われた”1番人気!? 単勝売上「約30億円」が“死に金”に……、 波乱連発の今春のG1シリーズ10戦を徹底総括!!
“呪われた1番人気”と揶揄したくなるほど、とにかく、1番人気が負けまくった今春のG1シリーズ。冒頭の安田記念では、1番人気グランアレグリアに土がついたことで、投じられた単勝売上約5億円が“死に金”と化した。
1番人気が勝利したヴィクトリアマイルを除く、10戦のうち9戦で2着以下に沈んだ1番人気に投じられた単勝売上を集計すると、いかに大量の“死に金”が発生したかわかる。
各9戦の単勝売上の時系列データから、1番人気に投じられた単勝票数を調べると、ダービーでエフフォーリアに投じられた単勝は6,501,347票。1票100円として約6.5億円と計算できる。
同様にオークスは3,573,500票で3.5億円、大阪杯では4,961,830票で約5億円と、それぞれ奇跡の白毛馬ソダシと、無敗の三冠馬コントレイルら、人気馬が1番人気に推されたレースでは、その金額はさらに高額となった。
一方で、混戦が予想されたNHKマイルCのグレナディアガーズには1,557,949票で約1.5億円、春の天皇賞ではディープボンドに1,967,491票で約2億円。高松宮記念はレシステンシアに1,596,767票で約1.6億円と集計。
牡馬と牝馬、それぞれクラシック一冠目の皐月賞ではダノンザキッドに2,225,212票で約2.2億円。桜花賞はサトノレイナスに2,343,264票の約2.3億円が集まった。
しかし結果はご存知のとおり。前述した安田記念の約5億円と合わせると約30億円が、文字通り“死に金”へと変貌してしまったのだ。
さらに上半期最後のG1レースとして待ち受けるのが、宝塚記念。6月27日、阪神競馬場で開催予定の同G1の1番人気は、昨年の覇者クロノジェネスだろうか。
グランプリレースとよばれるだけに、1番人気へ投じられる金額は、さらに高額になることは間違いないだろう。
果たして、宝塚記念の1番人気馬は、負け続けた今春のG1レースの1番人気の“呪い”を解くことができるか。これ以上の“死に金”を生み出さないためにも、その動向に今から注目したい。
(文=鈴木TKO)
<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。