JRA 音無調教師が福永騎手の騎乗に「ダメ出し」!? 過去にはあの「世界のトップジョッキー」も餌食に。宝塚記念(G1)アリストテレス騎乗予定、武豊騎手も戦々恐々か
6日、東京競馬場で行われた第71回安田記念(G1)。
一昨年の覇者であり、昨年は落鉄の影響もあって3着だったインディチャンプ(牡6歳、栗東・音無秀孝厩舎)。復権をかけて臨んだが、今年は勝ち馬ダノンキングリーから0.2秒離された4着に終わった。
レース後、騎乗していた福永祐一騎手は「少し力んだ。ラウダシオンの後ろで何とか我慢させて直線に向いたが、もう少しだった」とコメント。敗れはしたものの、相棒のはやる気持ちを上手く抑え、一応は納得の行く形でレースを終えたかに思われた。
だが、インディチャンプを管理する音無調教師の考えは少々違ったようである。
師はレース後、「ちょっと先頭に立つのが早かった。残り100から150mで先頭に立っていたらまた違ったと思う」と話し、肩を落としたという。福永騎手の仕掛けが早かったことに不満を持っている様子で、ギリギリまで我慢していれば、また違った結果になっていただろうと考えているようだ。
音無師も元々はJRAのジョッキーである。騎手時代は1212戦して84勝。G1は1985年のオークス(G1)をノアノハコブネで制している。一応は福永騎手の「先輩のG1ジョッキー」にあたるわけでもあるので、騎乗にダメ出しをしてもそこまで筋違いというわけでもないだろう。
元騎手というキャリアがそうさせるのかどうかは分からないが、音無師はこれまでにも何度か、騎手の乗り方に対してダメ出しをしている。
2010年のマイルCS(G1)では、管理馬ダノンヨーヨーに騎乗して2着に敗れたC.スミヨン騎手に対し、道中の位置取りや仕掛けのタイミングについてダメ出し。1番人気での敗戦だったため、不満もあったのかもしれない。ちなみにスミヨン騎手は10年の時点で既に凱旋門賞(G1)を2度制覇している世界トップクラスのジョッキーだった。
先週、安田記念が終わったことで、上半期のG1は27日に阪神競馬場で行われる宝塚記念(G1)を残すのみとなった。
音無師は今年のアメリカJCC(G2)の勝ち馬であり、春の天皇賞(G1)4着のアリストテレスを出走させる予定だ。ここ4戦で手綱を執っていたC.ルメール騎手がクロノジェネシスに騎乗するため、武豊騎手と新コンビを結成することが既に発表されている。
5月1日に右足甲の骨折から復帰以来、僅か4勝と苦戦している武豊騎手。「世界のトップジョッキー」であるスミヨン騎手にも平気でダメ出しをする音無師のことである、いくらレジェンドジョッキーであるとはいえ、不甲斐ない騎乗をすれば武豊騎手にもその矛先が向かうことは、想像に難くない。
ぜひ師がぐうの音も出ないほどの好騎乗を、レジェンドには期待したいものである。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。