JRA【ユニコーンS(G3)展望】“タックル被害”ラペルーズ巻き返しへ!? ピンクカメハメハ「国内初ダート」で“ダービー馬”の意地を見せられるか
20日、東京競馬場ではユニコーンS(G3)が行われる。昨年はカフェファラオが5馬身差で圧勝し無傷の3連勝を飾った。混戦ムードが漂う今年は、どの馬が勝ち名乗りを上げるのだろうか。
前走の青竜S(OP)で1番人気を裏切り、11着に敗れたラペルーズ(牡3歳、美浦・藤沢和雄厩舎)。敗因は明確で、巻き返しに期待がかかる。
もともと昨夏に芝でデビューしたが、5秒3差の大敗を喫し、地方の門別に転厩。そこで3戦して2勝を挙げると、中央に再転入を果たした。ダートに活路を見いだしたラペルーズは、1勝クラス、そしてヒヤシンスS(L)を連勝。一躍3歳ダート路線の主役候補に浮上した。
しかし、前走の青竜Sでは、C.ルメール騎手が「スタートから全く進んで行きませんでした」と話したように、終始後方を追走するだけの競馬。スタートしてすぐに隣枠の馬が内へ切れ込み、タックルされるような形になったのが痛かった。これで気持ちが切れてしまった可能性が高い。
2走前のヒヤシンスSでは出遅れても快勝しているように、ここでも力を出し切ることができれば好勝負は必至。鞍上は3戦連続となるルメール騎手が配されたことからも、見限ることはできないだろう。
数少ないペルーサ産駒で、唯一中央で勝利を挙げている本馬への期待は大きい。
リオンディーズ産駒のピンクカメハメハ(牡3歳、栗東・森秀行厩舎)は、17歳離れた半姉が宝塚記念(G1)を制覇したスイープトウショウという良血馬だ。
昨年7月に函館芝1800mの新馬戦を快勝したが、その後は年末にかけて芝の短~中距離路線で凡走が続いていた。今年に入って、陣営が選択したのは海外転戦。期待薄だった初戦のサウジダービーは、初ダートにもかかわらずなんと優勝の栄冠を勝ち取った。
1600mから1900mへと距離を延ばして迎えたのがUAEダービー(G2)。ここは、300mの距離延長が堪えたのか見せ場なく10着に敗れた。
帰国後は、5月下旬の北海道スプリントC(G3)を予定していたが、これを回避。改めて世代限定戦に矛先を向け、国内では初のダート戦で“ダービー馬”の意地を見せたい。