JRA 武豊が「競馬」にもたらした革命は、善か悪か。大坂なおみ会見拒否にM.デムーロ「気持ちはすごくわかる」、岩田康誠「何も話さへん」浜中俊「もういいでしょう」は現代スポーツの犠牲者?
先日のテニス・全仏オープンで会見を拒否した大坂なおみ選手の波紋は、テニス界の枠を超え、大きな注目と賛否両論を集めている。特に敏感に反応したのは大坂選手と同じように日々、メディア取材に付き合っているアスリートたちだ。競馬界でも様々な反応があった。
「ナオミオオサカの気持ちはわかります」
そう語ったのは『netkeiba.com』にて『Road to No.1 M.デムーロ 世界一になる』というインタビュー企画を連載しているM.デムーロ騎手だ。
競馬は毎回10頭前後の馬が出走して、勝つのは1頭だけ。例えば18頭出走していれば、必然的に17頭は敗れるわけで、騎手は「負けた時」つまりは“マイナス地点”から取材を受ける機会が圧倒的に多い職業だ。
中でも日本語という言葉の壁があるデムーロ騎手は「日本に来て『大変だなぁ』と思うことの一つ」と語っており、仮に敗因がわからなくとも「簡単に『わからない』は言えない」と、取材対応をプロとしての責務として受け止めている。
ただ、「ナオミオオサカの気持ちはわかる。すごくわかる」と、やはり思うところは多分にあるようだ。詳細はぜひ、本インタビューを一読いただきたい。
一方、同じく『netkeiba.com』で『太論』を連載している小牧太騎手も同様の問題について「当事者が発信するからこそ、ファンの競技への理解が深まることもあるし、少なくとも僕は義務やと思ってる」と見解を語っている。ただ、元から話すことが好きな小牧騎手は、大きな負担には感じていないようだ。
「小牧騎手のように勝とうが負けようが、いつも丁寧にコメントしてくれる騎手も当然多くいます。ただメディアは紙面の都合上、勝った馬や上位馬は大きく取り上げますが、G1レースでもない限り、それ以下になると掲載はごくわずか。
必然的に騎手が残してくれたコメントも端折られて、その結果、ファンへのミスリードを生んでしまうこともしばしば……。あまり議論されている問題ではないものの原因は根深いですし、いつも申し訳なくも思います」(競馬記者)
そんなジョッキーとメディア、そしてファンのすれ違いが重なった結果、全仏の大坂なおみ選手のように、取材をそのものに過度なストレスを感じてしまうアスリートは少なくない。
競馬界で例を挙げれば、横山典弘騎手のように著しく素っ気ない態度を取ったり、「何も話さへんからな!」と岩田康誠騎手のように取材そのものを拒否する騎手もいる。一昔前の浜中俊騎手の「もういいでしょう」発言も大きな波紋を呼んだ。