JRA横山典弘またしても「ポツン騎乗」にファンは打つ手なし!? 優等生の阪神開催から裏切りの平常運転…… 予想よりも難解な大ベテランのやる気スイッチ
そして迎えたメインレースの大沼S(L)で、横山典騎手はアルドーレに騎乗。スタートしてすぐは出していくそぶりを見せたが、採ったのはやはり後方待機策。1コーナーを回った頃には後ろから2番手まで下がっていた。
道中は勝ち馬ダンツキャッスルから3馬身ほど後ろだったとはいえ、勝ち馬は一足先に仕掛けて勝負どころの最終コーナーでは既に先団を射程圏に入れる競馬をしていた。
これに対し、横山典騎手のアルドーレは上がっていくタイミングも仕掛けも後手に回った印象が拭えない。直線の短い札幌コースでようやくエンジンが掛かったのは、レースの大勢が決まった後。上がり3ハロン最速の脚を駆使しながらも、不完全燃焼に終わった。
「一発狙いの穴馬で極端な戦法を試すにはありかもしれませんが、1番人気の騎乗でしたからね。前半2鞍で“普通”に騎乗していただけに、2レース連続の1番人気馬で裏切ったのは残念です。
本人にも思うところがあっての作戦でしょうけど、レース後にコメントを出さない騎手ですから、真意が分からないことも、見ている側としてはモヤモヤする結果でした」(競馬記者)
阪神に遠征した20日の開催では、1番人気アカイイトで人気に応えて勝利。メインレースのマーメイドS(G3)でも、5番人気クラヴェルで2着と見事な騎乗を披露した横山典騎手。腕に定評のあるベテランジョッキーだが、「やる気スイッチ」がどのタイミングでONになるのかは相変わらず謎のままだ。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。