外国馬が来ないジャパンCは「廃止」した方が早い? 国際競走新設へ臼田理事「8月に間に合うよう」JRAの懸命な努力もファンの共感を得られない理由
「一番の問題は、やはり芝競馬の本場となる欧州とあまりに違い過ぎる日本の芝コースでしょうね。欧州では考えられないような超高速で決着する日本のレースで、欧州馬が活躍することは難しいですし、それは逆に日本馬が凱旋門賞(G1)などで苦戦する理由にもなっています。
JRAも様々な努力を行っていますが、ここに歩み寄りがない限り、ジャパンCの国際競走としての復活は難しいでしょうね」(同)
今回の発表を受けたネット上の競馬ファンも、SNSや掲示板などでは「これはいい試み」「外国馬が来た方が面白い」といった賛成の声がある一方、「頑張りはわかるけど、芝を変えない限りは」「問題点はそこじゃない」など根本的な解決にはならないという意見もあった。
中には「(日本が)変わる気がないなら国際競走をやる必要がないのでは」「もうジャパンCの役割が終わった」とジャパンCの存在そのものに否定的な意見も見られている。
「世界に通じる強い馬づくり」を目指して1981年に誕生したジャパンC。あれから40年、今や日本馬は世界トップクラスの評価を受けるまでに進化した。そういった意味では、確かにジャパンCは創設当初の役割を終えたといえるだろう。
「8月にある、秋の番組発表に間に合うよう作業を進める」
その一方で、今回決まった新たな国際競走の創設を進める臼田理事。様々な努力は評価されるべきだが、欧州との芝の差を埋めない限り、JRAは決して埋めることができない世界との“溝”を埋め続けているのかもしれない。(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。