JRAまるでレイデオロ?C.ルメール「技あり」騎乗で波乱阻止! リーディングジョッキーが見せた勝負勘に絶賛の声、勝敗を分けた決定的なタイミングとは
「逃げたマドラスチェックは久々の芝で、ジョッキーも手探りの状態で乗っていましたからペースが緩んだのも当然でした。もし、ルメール騎手が後方のまま動かなければ、俗にいう“行った行った”の展開で、おそらく前の馬が残ったでしょう。
ですが、サトノエルドールがまくりを仕掛けたことにより、先行勢は息を入れる余裕がなくなりました。ペースが緩んだタイミングを見逃さずに勝負を仕掛けたルメール騎手の好判断が光りましたね」(競馬記者)
また、同じような展開でルメール騎手の好判断が光った代表的なレースといえば、レイデオロで制した2017年の日本ダービー(G1)が思い浮かぶ。
このときは横山典弘騎手のマイスタイルが超スローで逃げたため、後方待機組は脚を余して末脚不発の展開。そんな中でルメール騎手とレイデオロのコンビは、スローを見越してポジションを上げる。一気に先団へ取りつき、直線2番手から押し切った。
これに対し、1番人気を背負ったM.デムーロ騎手のアドミラブルは後方待機策が仇となり、上がり3ハロン最速の脚を駆使しながらも、3着まで追い上げるのが精一杯。先手を打ったルメール騎手と、後手に回ったデムーロ騎手の明暗が分かれる結果となった。
ちなみに、巴賞はこの日のWIN5対象レースの3つ目。1→1→2→8→4番人気の組み合わせで59万7030円の払戻しとなった。2番人気のサトノエルドールが敗れ、5番人気マイネルファンロンが勝利していたなら、100万円台に突入していたかもしれない。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。