JRA七夕賞(G3)岩田康誠が「重賞100勝&全10場制覇」に再挑戦!最大の敵は身内にあり!?
11日、福島競馬場では七夕賞(G3)が行われる。連覇を狙うクレッシェンドラヴが中心とみられるが、初となる58kgを背負い、ハンデ戦らしく波乱ムードも漂う。
有力馬の1頭が鳴尾記念(G3)で2着に好走したショウナンバルディ(牡5歳、栗東・松下武士厩舎)だ。その前走で先着を許した相手はユニコーンライオン。先月の宝塚記念(G1)でクロノジェネシスの2着に逃げ粘った実力馬である。ショウナンバルディ自身も、鳴尾記念でブラストワンピースとペルシアンナイトというG1馬2頭に先着しており、前走から斤量が1kg減る今回は十分チャンスはあるだろう。
ショウナンバルディの手綱を取るのは岩田康誠騎手だ。これまでこのコンビでは4戦2勝と相性は悪くない。また、先週のラジオNIKKEI賞(G3)では7番人気のノースブリッジに騎乗。果敢にハナを切ると、絶妙なペースで逃げ、見せ場十分の3着に導いた。
そんな岩田康騎手は先週に続き2つの記録に挑戦する。今年1月の京都金杯(G3)をケイデンスコールで制し、JRA重賞通算99勝目を挙げた岩田康騎手。100勝目にリーチをかけた状態で早半年が過ぎ、目下重賞25連敗中である。そろそろ節目の記録を達成したいところだろう。
もう一つリーチをかけているのが、JRA全10場重賞制覇だ。これまで武豊騎手や横山典弘騎手など6人しか達成したことがない難易度の高い記録である。福島で騎乗する機会はあまりないため、当然狙いに行くだろう。
「次に福島で開催される重賞は秋の福島記念(G3)です。それまで間も空きますし、騎乗馬がいるとも限りません。岩田康騎手とすれば、ここで同時達成を狙ってくるでしょう。ショウナンバルディは近2走で積極的に前に行く競馬で結果を残しています。先週のノースブリッジで見せたような逃げの手を打つかもしれませんね」(競馬誌ライター)
そんなショウナンバルディの難敵となりそうなのが、息子の岩田望来騎手が騎乗予定のマウントゴールドである。実はこの2頭は、今年に入り、2度にわたって直接顔を合わせている。
1度目は1月の中山金杯(G3)で、ともに中団後方を進み、マウントゴールドが9着、ショウナンバルディは13着に沈んでいる。2度目の対決となった5月の都大路S(L)では、マウントゴールドが1着、ショウナンバルディは3着。2度の対決は、どちらもマウントゴールドに軍配が上がっている。ショウナンバルディの鞍上はどちらも岩田康騎手ではなかったが、“難敵”の鞍上が息子というのは気になるところだろう。
岩田康騎手は息子の前で偉業を達成し、父の威厳を見せるのか。それとも息子にそれを阻まれてしまうのか。親子対決にも注目したい。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。