JRA 福永祐一「人為的に変える必要がある」クロノジェネシス凱旋門賞直行に助言!? 「特にディープインパクトの子供は……」日本馬と欧州馬の決定的な違いとは
地元馬では1950年のタンティエームが4カ月ぶり、1965年のシーバードが約3カ月ぶりの出走で凱旋門賞に優勝しているが、殆どの勝ち馬は前哨戦などを使い短い間隔で出走。ましてや、クロノジェネシスについては初めての地で、ぶっつけ本番というは馬場への適応に不安が残る。
過去に日本馬が2着となった4回も、全て前哨戦を叩いていた。凱旋門賞に敗れたディープインパクト(3位入線から失格)が、宝塚記念からの直行だったことも気にかかる。
ただ、クロノジェネシスの父バゴは、凱旋門賞の勝ち馬。日本の主要血統であるディープインパクト産駒とは、そもそもの適性も違うことも事実だ。
福永騎手は「ボコボコしたところならさ、人間だって突っ込んで走れないでしょ。躓かんとこうと思ったら体を起こすやん」とパリロンシャン競馬場の馬場を解説。続けて「外国(欧州)の馬ってのは基本的に頭高いよ。日本の馬、アメリカの馬はやっぱ頭が低い。スタートして躓くことがあっても、普通に走ってて(日本なら)躓くことないやん。特にディープの子供は頭が低いから……」と、ディープインパクト産駒が欧州向きではないことを示唆した。
一方で、クロノジェネシスに対しては「血統的にはバゴやし、お父さん凱旋門賞馬やし、まあ血統的にはそのこなせる下地は当然あるし、牝馬だけど馬格もあるしパワーもあるから、いいと思うけど。走り方を少し向こうの馬場にアジャストさせるように変えていければ」とチャンスを見込む。
凱旋門賞馬の父を持つ日本馬が、この悲願に挑戦するのは今回が初。クロノジェネシス好走のカギは、自身の適応力にかかっていそうだ。
(文=北野なるはや)
<著者プロフィール>
某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。