JRA ゲーム会社から駐車場で有名な会社まで……、バラエティ豊かな馬主の本業! セレクトセール大量投資のあの人や、有名企業経営のあの人をピックアップ!
年を追うごとに落札金額が高騰する傾向にあるセレクトセール。特に今年は、サイバーエージェント代表取締役の藤田晋氏が本格参戦し、熾烈なマネーゲームが繰り広げられた。
そこで、気になってくるのが、馬主の方々は何を本業にして稼いでいるかということだろう。
ちなみに以下は、JRAが定めている個人馬主の要件である(JRA公式HPより)。
1.日本中央競馬会競馬施行規程第7条第1号~第13号に定める事項のいずれにも該当しないこと。
2.今後も継続的に得られる見込みのある所得金額(収入金額ではありません)が、過去2か年いずれも1700万円以上あること。
3.継続的に保有する資産の額が7500万円以上あること。
いやはや、目安とされる最低条件でも庶民には想像もつかないような金額が記載されている。ときには「金持ちの道楽」とも揶揄される馬主の方々は、一体何者なのだろうか。
ふとそんなことを思い浮かべた今回は、分かる範囲ではあるが、普段はどのような仕事をされているのか、近年のセレクトセールで、高額落札を続けている方を中心に馬主の本業について調べてみた。
1人目は、現役時代だけではなく、種牡馬としても大活躍したディープインパクト、キングカメハメハなどの馬主で知られる金子真人氏だ。
金子氏は、横浜市にある電気機器メーカー「株式会社図研」の創業者で、現在は代表取締役会長を務めている。同社は、日本や米国など4カ国に開発拠点を設け、最先端のソフトウェア技術を駆使し様々なモノづくりを支援している。
図研は、技術もさることながら経営状況も非常に良好。21年3月期の売上高は288億円で、純利益は21.4億円に上る。本業が好調であることもあってか、2日間で10億5700万円をセールで投資した。
2人目は、「ホウオウ」の冠名で有名な小笹芳央氏だ。
小笹氏は、東京都中央区にある経営コンサルティング会社「株式会社リンクアンドモチベーション」の代表取締役会長。同社は、組織人事コンサルティング事業・クラウド事業・インキュベーション事業を中心に事業を展開している。また、現在14社を束ねる親会社となっており、グループ全体での売上は約352億円に上る(20年12月期)。
余談だが、今年の帝王賞(G1)を優勝したテーオーケインズの馬主である小笹公也氏は実弟だ。
3人目は、今年の安田記念(G1)を制したダノンキングリー、高松宮記念(G1)を制したダノンスマッシュなど、「ダノン軍団」でお馴染みの野田順弘氏だ。
ダノンプレミアムなどの正式な馬主は株式会社ダノックスだ。ダノックスは、株式会社オービック代表取締役会長も務める順弘氏の資産管理会社。野田氏の所有馬は現在、全てダノックス名義となっている。
オービックは、システムインテグレーション事業やシステムサポート事業を行っている企業だ。主力商品である統合業務ソフトウェア「オービックセブン」は、18年連続国内シェアNo.1となっている。
同社は売上839億円、純利益380億円(21年3月期)と経営状態が良好でもあり、野田氏は長者番付で日本11位だ。また、妻は、マイルG1を2勝したミッキーアイルや2018年の宝塚記念馬ミッキーロケットなど、「ミッキー」の冠名で知られる野田みづき氏だ。