JRA ゲーム会社から駐車場で有名な会社まで……、バラエティ豊かな馬主の本業! セレクトセール大量投資のあの人や、有名企業経営のあの人をピックアップ!
ここまでは、セレクトセールを中心に取り上げてきた。ここからは、CMや町で見かけるよく見かける有名企業の馬主について紹介する。
1人目は、「カズ」「カズマ」の冠名で近年所有馬を増やしている合同会社雅苑興業だ。
雅苑興業という名前に聞き覚えない方がほとんどだろう。同社は、「あったらいいな」でお馴染みの小林製薬の小林一雅代表取締役会長の法人名義。誰もが一度はお世話になったことがある製薬会社の会長も、実は競馬好きだったのは意外と思う方も多いかもしれない。
2人目は、今年のフェブラリーS(G1)優勝馬カフェファラオの馬主である西川光一氏だ。
西川氏の本業は、自動車を運転する方なら一度は利用したことがあるタイムズ駐車場を運営管理するパーク24株式会社の代表取締役社長。ちなみに、マンハッタンカフェ馬主の西川清氏は、光一氏の実父でパーク24株式会社の創業者である。
3人目は、16年の有馬記念(G1)でキタサンブラックを破った菊花賞馬サトノダイヤモンドなど、「サトノ」の冠名で知られる里見治氏だ。
里見氏は、パチスロ・パチンコメーカー「サミー株式会社」と持株会社「セガサミーホールディングス株式会社」の代表取締役会長。
サミーは、主にパチスロ・パチンコ機種の製造、ゲームを行っている。03年にゲームメーカー「セガ株式会社」を買収し、翌年に経営統合。それが契機となり、持株会社セガサミーホールディングスが誕生した。グループ全体の売上は約2777億円であり、純利益は約13億円(21年3月期)だ。
里見氏は、4月に同ホールディングス代表取締役会長グループCEOを退任し現職となる。後任に選ばれたのは、長男で19年マーチS(G3)優勝馬サトノティターンの馬主でもある里見治紀氏である。
今回、一部の馬主の紹介に留まったが、莫大な資金が必要とされる馬主は、企業の社長であることが多い。
競馬予想をする際は、つい馬や騎手に目がいきがちだが、併記されている馬主にも目を配ると、意外な人が馬主をしていることもあるだろう。
もしかしたら、貴方の勤務先の社長や、日常で何気なく使っている製品の会社も馬主をしている社長かもしれない?
(文=寺沢アリマ)
<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。